17話 ページ17
今思えば数年前はゾムもちっちゃくて、舌ったらずな声でいつもアヒルの子みたいに後ろにいたなと思い出に浸っていると私の視界はゾムのが映る。
「言われてたお使い、終わらせたで！」
「ご苦労様〜」
「今日は俺が晩飯作る！」
「じゃあお願いするよ。」
6歳ぐらいから15歳になったゾムはどうやら体を動かす事が好きらしい。よくお使いを引き受けて来るれる。
成長期と言う奴だっただろうか。
コネシマもシャオロンもこんな時期があったと思うと懐かしい気分。今じゃ狂犬と言われる程成長してしまったけど。
「ゾム、やっぱり君学校へ行ったほうがいいんじゃ無いかい？」
「良い。俺あんまし人の多いところ嫌やねん。」
「そう言われてもねぇ…君は人間でいつかはここを出て行かなくちゃいけないんだよ。」
「人間だからなん。俺が。」
「そう言う意味じゃ無いさ。だが、忘れちゃいけない事。」
少ししょんぼりとしたゾムの頭を撫でる。
「じゃあ、何でシッマやシャオロンは悪魔なん？」
「……特に、深い理由はないさ。」
「間が空いてた。」
「候補者が居なかったんだよ。あの子達はそれを快く引き受けてくれたんだよ。」
当時は追放されてまだ日が浅かったからと言う理由もある。番犬の候補者が居ない。それは当たり前だ。ずっと独り身で生きてきたし。
「もし、俺が悪魔になりたいって言ったら？」
「なれやしないさ。悪魔なんて、君じゃ無理だ。」
ゾムが言いたい事は分かる。
親元を離れて独り立ちする勇気も人間にとっては大きな試練の一つかもしれない。よく分からないけど。
「今度、博識の友人が私の所へ来る。」
「はくしき？」
「頭が良いって言った方がいいね。」
「古い友人？」
「まー、そうだね。グルッペンと同じくらいかな。」
「ずっと今まで思ってたんやけどさ。」
「何だい？」
「Aって何年生きとるん？」
確かに気になるではあろうとは思っていたけど、改めて自分の年齢と言うか、存在する年数と言うか。
何だか虚しい。
「秘密。600年からめんどくさくて数えてない。」
「ろ、600！？」
「ちょうどその時に追放されたからね。」
そもそも、
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作者名：更新不定雑飽子 | 作成日時：2020年8月26日 18時
