１歳差の不良 (ページ26)

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『……そんな顔するんですね』

私はこっそり後ろから近付いて吉野北人にそう言った

そしたら吉野北人はびっくりしたようで慌てて子猫の入ったダンボールを自分の背中に隠した

「…いや、あの」

頬を赤く染めて金色の頭をわしゃわしゃとかいていた

『それ、捨て猫？』

「まぁそんな感じ。」

『見せて』

私は吉野北人の隣にしゃがんで背中にあるダンボールを指さした

黙ったままダンボールを私の方に寄せると小さくて目が大きな子猫が少し怯えた様子で私を見ていた

『かわいい……』

私が手を出すと子猫は優しく指を噛んできた

『んふふ、くすぐったい』

「ん、」

子猫を抱き上げた途端吉野北人は干された小魚を私に渡してきた

『え？』

「あげてみ」

ん、と顎を何度もクイクイしてきたので小魚を受け取って子猫に上げてみた

そしたらちみちみと小魚を食べ出してあっという間になくなった