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「うん、おめでとうございます。妊娠3ヶ月目ですね。」


私と向かい合った女医がにこやかにそう告げる。


なんとも言えない表情のまま黙っている私に人柄の良さそうな女医は続ける

「……相手の方は?」



『まだ言ってないんです。』


「そう…どうするかはちゃんと2人で話し合って決めてくださいね。」


そう。妊娠したことにばかり気がいってしまい私は重要なことを失念していた。

産む?それとも、、


だが私が産みたいからと言って彼が同意してくれるとは限らない。
今も現役バリバリのFBIだ。常に危険と隣り合わせ。そう簡単に家庭を持てるとも思えない。


『はい。そうします。ありがとうございました。』


受付で次の日健診の日を聞き、診察料を払い病院を出る。
よく見てみればほとんどの妊婦さんが旦那さんらしき人と一緒に歩いている


まだ若い私が一人で産婦人科の前を歩いている姿を見て周りの人はどう思うのだろう。


「………Aさん?」


『!?』


病院を出たところで不意に名前を呼ばれ肩が跳ね上がる。


とても聞き覚えがある声


『……降谷…さん…』


仕事中なのだろうか。グレーのスーツを着ている彼はやはり29という年齢には似合わない見た目をしている。私と同い年と言われても違和感は全くない。


いやそんなこと今は関係ない。


よりによってこの人に産婦人科から出てくる姿を見られてしまった。


「…こんなところで何をしていたんです?」


『いえ、特に深い理由は無いんです。そういえば組織がノックリストを狙っているみたいですね。』


私は何とか話をすり替えようと必死になり彼の頭の中を今1番埋め尽くしているであろう話題を振った。

「産婦人科なんかに意味が無いのに来ますかね?
ああ、その事ならご心配なく。
きちんと対応するつもりです。で?ここにいるほんとうの理由は?」


なんでこの人はこんなに食い下がってくるの??


『…察してくれると嬉しいですね。』

私は観念した。


「まさか妊娠でもしたんですか?あ、でもあなた相手いなさそうですね。」


あいも変わらず煽るような口調の男に私はすかさず言い返す。



『残念。私にも相手はいるんですよ。』


とても大きな声で言える関係ではないが



「まさか本当に?……自分の仕事わかってるんですか?責任感とかあなたには無いんですか。」


『……』


ぐぅの音もでないとはまさにこの事

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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2023年4月29日 17時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き楽しみ! (2023年1月4日 21時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
- 終わり!? (2023年1月4日 21時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 続き、気になる………!更新待っています!!! (2021年5月23日 10時) (レス) id: 8ea104269f (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません、13話が二つありますよ・・多分片方は14話では・・?(^_^;) (2021年5月21日 21時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひま | 作成日時:2021年4月26日 18時

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