FBIの子どもを身ごもりました (ページ30)

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現場に着いてからは早かった。

バーボンがあっという間にターゲットを気絶させ、ライが取引相手を銃で脅し薬を奪う。

『私とあなた、いる意味なかったみたいね。
あのふたり、何者なの？』

「はは、そうだな。あの2人強いからなぁ。」

後の質問は華麗にスルーしたスコッチを見ると苦笑いしながらもなぜか懐かしそうな瞳でバーボンを見ていた。

「ん？どうした。俺の横顔、そんなにカッコよかったかぁ？」

そうやって意地悪に笑う。

『自惚れもいいとこね。終わったならさっさと帰りましょうよ。お腹空いたわ。』

スコッチに背を向けて歩き出した刹那

「………っ！危ない！！！」

『？！』

背後からバーボンの大声とともに銃声が聞こえた

あぁやばい撃たれる。と思った途端、暖かい温もりが全身に覆い被さり、ドサッと一緒に倒れ込んだ

『……いたっ

スコッチ！？大丈夫！？』

腕から血を流すスコッチが私の上に覆いかぶさっている

「あぁ。少しかすっただけだ。怪我はないか？」

無傷であることを伝えると
「お前が無事なら良かったよ」
と、優しく微笑む顔が自分の顔と5センチの距離にある

『っ……』

顔が熱くなるのがわかる。

「おい！大丈夫か？
すまない、油断してしまっていた。」

ライが申し訳なさそうな顔をしてこちらへ駆けてくる
銃を撃ったのはライが脅していた取引相手。
ライにやられたのだろう、伸びて床に転がっていた

「スコッチ、怪我は無いか？

あなたボケっとし過ぎじゃないですか？もう少し組織の一員としての自覚を持つべきだ。」

悪態を吐きつつも私の手を引き腰を支えながら起き上がらせてくれるバーボン

『……その通りよ。
ごめんなさいスコッチ。痛くない？…痛くないはず無いね…』

「そんな泣きそうな顔をすんなって、すぐ治るから。な？」

『……えぇ、ありがとう。』

一目惚れとか、信じたことなかったし興味もなかったけど

私はスコッチのことが好きなのかもしれない
私の敵なのに。
倒さなくてはならない相手なのに。

思い返してみれば、これが私の初恋だった