FBIの子どもを身ごもりました

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『行ってらっしゃい。』


「行ってきます。」



そう言って秀一さんは私のおでこにキスを落として出て行ってしまった。
もちろん変装をして。


『サラッと恥ずかしいことするよな…』



さすがアメリカにいただけあるわ。なんて呑気なことを考えつつ支度をする



仕事仲間に報告って言っても私の所属する組織は外国にあるし仲間も日本にいない。


妊娠したことだけを上司にメールで送信した。

向こうに行かなきゃいけない事も滅多にないし
スパイ以外の仕事ももちろんあるけど日本で出来るパソコン業務だけにして貰ってるからどうとでもなる。


問題は、、、

『あの組織』


誰の子供って聞かれたらなんて答えればいい？

赤井秀一だなんて口が裂けても言えない



困った。



でもちゃんと報告して、危険な任務からは外して貰えるようにお願いしよう。

お腹にいる間、この子を守れるのは私しかいない。

わたしが母親になるなんてイマイチ実感が湧かないが、、


ベルモットの文字をタップして耳に当てる。


プルルルルルルル




「もしもし？あら、どうしたの？あなたから電話なんて珍しいわね。」


『あ、ベルモット、今忙しい？話したいことがあるの。』


「ノープロブレムよ。
それで、話したいことって？」


『結果から言うと妊娠した。』


「…今日はエイプリルフールじゃないわよ。」



『ええ、わかってる。本気よ。
私がこんな嘘吐くために電話すると思う？』



「…誰との子なの？」

やっぱりその質問だよね。


『…ベルモットは知らない。もちろんジン達も。
昔からの知り合いよ。
でも安心して？組織に影響を与えるような人じゃないわ。
それでベルモットにお願いがあるの。』


「あまり危険な任務をあなたに与えないようにすればいいんでしょ？はいはい、わかったわ。」



『ありがとう。恩にきるわ。』


「それはそうと、ジンにはこのことは？」



『ううん、まだ言ってないよ。』



「そう……まぁ気をつけてね」



何が…？


『ええ、わかった。ありがとう。それじゃあ。』

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