How to Love U.【Jesse/Juri.T】 (ページ8)

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夢主side
彼、浮気してるかもしれない。

最近ずっとスマホを見ていて、覗こうとすると直ぐに電源を消される。

……しかも、彼から彼の香水じゃない匂いがする。

『………捨てられちゃう、のかな…』

本当は今日は久しぶりのデートのはずだった。

彼が行きたいと誘ってくれたから、服とかメイク道具とか新調して、可愛い姿を見せるつもりだった。

でも、急に”仕事が入った”って言われて朝早くから出ていってしまったのだ。

準備したものが全部台無しになってしまい、朝もお昼もなんにも食べず、ひたすら自分の布団に包まって泣いていた。

…デート、楽しみだったのに。樹のばか。

一緒に寝たくないと言っていた癖に、結局寂しくなるって言って買ったダブルベットは、1人で寝るにはだだっ広くて更に寂しさを煽ってくる。

スンスンと鼻を鳴らしながら、彼の匂いがする枕を抱きしめると布団ごと誰かに抱き上げられる。

…その細い体のどこに力があるわけ？

『、じゅり、』

樹『ただいま。…寂しい思いさせて、ごめん。』

『…おかえり、』

私から布団を取り上げてソファに座らせられると、後ろからガサガサと物音が聞こえてくる。

『樹…？』

樹『…今日な、仕事じゃない。
色々と準備してたんだ。』

『準備…？』

樹『……これ、あげる。』

渡されたのは、白い小さな箱と1輪の白いカーネーション。

『…へ、？』

樹『…忘れてるだろうなって思った。
今日、何日？』

スマホで日付を確認すれば、

『………私、誕生日だ。』

樹『…誕生日、おめでとう。』

ふわっと笑う彼の姿にまた涙が零れそうになり、必死にこらえて白い箱を開ける。

『……え、』

そこには、銀色の指輪が鎮座していた。

樹『…左はもう少し待って。でも、予約だけしたい。』

私の右手を取って、指輪を填める姿に耐えていた涙がまた零れてしまった。

樹『泣くなって。可愛い顔が台無しだぞ。』

『うるさい、樹のせいだもん。』

樹『はいはい。
…そうだ、この花の花言葉調べてみ。
不安にさせたの、反省してるからさ…。』

私は言われた通り、白いカーネーションの花言葉を調べる。

『……じゅり、』

樹『…ほら、お姫様。デート行くぞ。』

冷静を装いながら言う彼の耳は、微笑ましくなっちゃうくらい真っ赤で、愛おしく感じた。

Episode4

【無垢で深い愛】

END