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夢主side
『ふぁ………、やっと終わった……』
ひたすらパソコンとにらめっこをして大学のレポートを書き上げて、時間を見れば既に針は7時を指していた。
『…徹夜…………ねむ………』
『………じゅり、起こさなきゃ』
疲労と眠気で重たい瞼を擦り、隣の部屋で眠る彼氏 田中樹を起こしに行く。
『……幸せそうに寝てる。いいなぁ。』
よく番組とかメンバーの人には”寝顔がブス”と言われる彼だが、私から見たらとっても幼くて守ってあげたくなっちゃう、かわいい寝顔で凄く好き。
『樹、起きて。』
まぁ、1回で起きるわけなんてありえないから、何度も何度も体を揺すって起こす。
『樹、じゅーりー、』
樹『ん”…………ぅるさいぃ…………』
そう言って布団の中に潜り込む。
これもいつもの事。
『うるさいじゃない。起きて。
今日朝早いんでしょ。』
樹『…やだぁ…………まだ眠い………』
『駄々こねないの。』
樹『鬼………』
『朝ご飯抜きにするよ。』
樹『……それもやだ、、、』
『……とりあえず、ちゃんと起きてね。
ご飯の準備してくるから。』
優しく彼の頭があるだろう場所をぽんぽんと叩いて、キッチンに向かう。
昨日仕込んでおいたフレンチトーストをフライパンに乗せ、火にかけてその間に横で目玉焼きを2つ焼く。
ご飯の準備をしていると、やっとのそのそと酷い寝癖をつけた彼が起きてきて、ぎゅうっと後ろからお腹に巻きついてくる。
『樹、動けない。』
樹『……おはよ……』
『…おはよ、もう少しでできるから向こうで待ってね。』
樹『…うん、』
口ではそういうも、ますますお腹に回した腕の力は強まる一方で。
『もう、、樹？』
樹『…』
火を止め、彼の方を向くと若干ムスッとした表情をして見つめられる。
樹『……ん、』
少ししゃがんだと思ったら目を閉じて何かを待つ彼を見て、やっと察した。
『…仕方ないなぁ』
色素がちょっと薄くて、乾燥気味の唇にキスをすると、にへっと甘く笑った。
樹『へへ、だぁいすき』
『…私もすきだよ』
2人で笑い合い、引き寄せられるようにもう一度キスをした。
樹『飯、あとは俺がやるわ。』
『え？』
樹『その顔、徹夜明けでしょ？疲れてるんだから、俺にさせて。』
……ほんと、ずるいんだから。
Episode1
【甘すぎて胸焼けしちゃうね】
END
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作者名：蒼崎雷 | 作成日時：2021年11月8日 23時
