第236話《微睡》 ページ43
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一体何が起きたのか理解が追いつかない。ただ、今はAの鼓動を感じ、Aが生きているのだという確信を得られただけで良いと思えた。
「……此処から最も近いICUのある病院は」
《5km先に一件。すぐにご案内します。》
彼女の胸が仄かに上下する様子に、思わず安堵したくなる気持ちを押し殺す。今は安定しているとはいえ、いつ急変するかも分からないのだ。一刻も早くAを診せなければならない。
「スターク！」
ナビゲートされた病院へ向かおうと飛行準備を取った瞬間、背後から声をかけられた。苛立ちを隠さず振り向くと、あの男が金色のポータルを開いていた。
「ドクター……」
「こっちの方が速い。それにICUもERも名医が揃ってる」
光の向こうには設備の整った病院の廊下が見えた。彼は僕の目をジッと見て、まるで成すべき事は終わったと言わんばかりにマントの襟を直した。
＊
夢を見た。
死んだお母さんとお父さんがいる、優しくて、暖かくて、悲しい夢だった。
二人の温度に再び触れた瞬間、このままずっと、ここで二人と一緒に居たいと思った。
でも。
やっぱり私、心配だった。
強くて、賢くて、沢山の人に愛され、囲まれているあの人の事が。
泣いてる姿なんて、今までただの一度も見せなかった彼の事が。
心配で、心残りで、そして何より愛おしく思ったのだ。
もしも叶うのなら______私は、私の為に泣いてくれてくれた彼を、もう一度この手で抱き締めたい。
死ぬ覚悟があるだなんて息巻いておいて、今更図々しいだろうか。
『(それでも……)』
私、まだ生きたい。
手も足も動かなくても。
身体に傷が残っても。
目も耳も、使い物にならなくても。
『(彼の隣で、生きていたい)』
強く希った瞬間、大きく暖かな光に包み込まれた。それはまるで、深く深く沈んだ闇を晴らしていくようだった。煌々と瞼を透けてくる光に促され、自然と目を開く。
そして。
『(ああ……)』
朧げな視界の先に見えた存在に、私は微笑んだ。
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vanny(プロフ) - Unknownさん» トニー推しの身としては、解釈が合うと言って頂けて一安心です笑これからも頑張って創作に励みますね！素敵なコメントありがとうございました。 (8月30日 12時) (
レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - Unknownさん» このような長い物語を呼んで頂き、本当にありがとうございます。絶対完結させるぞ…！と意気込んで必死に書いて来た日々が報われたような気分です😢私の作品がUnknownさんのお目に止まり、少しでも要望を叶える事が出来ていたのであれば僥倖です。 (8月30日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - そして、3年という長い年月をかけてまで完結してくれたことと、自分の中でのトニースタークの解釈と本当に一致していたのが嬉しいです笑これからも、素晴らしい作品を生み出してください。 (8月29日 0時) (レス) id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - 本当に素晴らしい作品で、一気に読んでしまいました。私もトニースタークの哀しい人生に何か救いがあればいいな、と思っていました。このような本当に素晴らしい作品に出会えた自分の運、そして、作ってくださったことに心から感謝したいです。 (8月29日 0時) (レス) @page49 id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - stupidさん» お気になさらず〜！日常系ですね！分かりました👍ありがとうございます！ (2023年2月11日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：vanny | 作成日時：2022年3月16日 13時
