第225話《おかえりなさい》 ページ32
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鬨の声が木霊する。両陣営が衝突し合い、戦場は完全に混戦状態へと移行した。
『スタークさん！スタークさん！トニーッ！』
怒声と雄叫び、爆発音、衝撃音、沢山の音が重なり合い私の声など一瞬で掻き消されてしまう。
『どこ……っ、何処にいるの！？』
酷い焦燥感に駆られながら目に付く限りの敵を屠る。
援軍が来てくれたとは言え、未だ頭数に圧倒的な差がある。少しでも気を抜けば、すぐさまサノス達に抑え込まれてしまうだろう。
つまり今、彼を探している時間はない。
『う"っ、ああッ！』
不意を突かれ、背後から敵が飛びかかってきた。鋭い牙と爪が先程サノスから受けた傷に食い込み、想定以上の苦痛に襲われる。すぐさま反撃しようと身を捩ったが、その必要はなかった。
_________キイィィィンッ！！
敵は私が手を下すまでもなく、突然の閃光と甲高い音によって消し飛ばされたからだ。
ああ。
この光も。
この音も。
忘れる筈がない。
彼の叡智の結晶。全てを焼き切るリパルサーの光線。
「君……」
空中から敵を撃破してくれたヒーローは、カンッと金属音を立てて地面に着地した。そしてスーツのマスクが外されると、中きら驚きと困惑を含んだ表情が現れた。
「A、か？」
記憶の中と寸分も変わらない、五年前の彼がそこいる。私は差し出された手をゆっくりと取り、恐る恐るその存在を確かめるかのように、彼の頬に触れた。
暖かい。
柔らかい。
生きている。そう理解した瞬間、もう耐えきれなかった。
迷わず彼の後頭部に手を添え、動揺に揺れる表情を傍に引き寄せる。そしてその形の良い唇に、私は自らの唇をそっと重ねた。瞬間、戦場の騒音は遠のき、残酷に過ぎゆく時間は止まった。
『________おかえりなさいっ！』
名残惜しく思いながら唇を離す。そして微笑むと、スタークさんは珍しく頬を赤く染めていた。
おかえなさい。
ずっとずっと、この言葉が言いたかったんだ。
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vanny(プロフ) - Unknownさん» トニー推しの身としては、解釈が合うと言って頂けて一安心です笑これからも頑張って創作に励みますね！素敵なコメントありがとうございました。 (8月30日 12時) (
レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - Unknownさん» このような長い物語を呼んで頂き、本当にありがとうございます。絶対完結させるぞ…！と意気込んで必死に書いて来た日々が報われたような気分です😢私の作品がUnknownさんのお目に止まり、少しでも要望を叶える事が出来ていたのであれば僥倖です。 (8月30日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - そして、3年という長い年月をかけてまで完結してくれたことと、自分の中でのトニースタークの解釈と本当に一致していたのが嬉しいです笑これからも、素晴らしい作品を生み出してください。 (8月29日 0時) (レス) id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - 本当に素晴らしい作品で、一気に読んでしまいました。私もトニースタークの哀しい人生に何か救いがあればいいな、と思っていました。このような本当に素晴らしい作品に出会えた自分の運、そして、作ってくださったことに心から感謝したいです。 (8月29日 0時) (レス) @page49 id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - stupidさん» お気になさらず〜！日常系ですね！分かりました👍ありがとうございます！ (2023年2月11日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：vanny | 作成日時：2022年3月16日 13時
