第217話《選定》 ページ24
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前回の任務を遂げてから、数週間が経過した。
「ガントレットは準備出来た。後は誰が指パッチンをするかだ」
ロケットの言葉で部屋中に緊張が走る。そう、様々な苦節を経て漸くガントレットが完成したのだ。
彼の言う通り、後はもうストーンの力で皆を取り戻すだけだが……それには大きな問題があった。使い手はストーンが放つ衝撃に耐えなければならない上、その苦痛の中正確に願いを叶えなければならないのだ。
「俺がやる」
静寂を破るように名乗りを上げたのは、険しい表情のソーだった。ガントレットに近付こうとする彼を、慌てて皆で止める。
「ソー、ちょっと待て！誰がやるかはまだ決めてない」
「じゃあどうするんだ？何もせずただ待ってるっていうのか！？」
スティーブの冷静な制止に、ソーは語気を強めた。「せめて話し合おうよ」とラングさんも言うが、彼は聞く耳を持たない。
「いいか、じっとストーンを見つめてたって誰も生き返りはしない。俺はアベンジャーズで一番強い。だからこれは俺の役目だ」
『ソー、ちょっと落ち着いて……』
宥めるように彼の背に触れるも、「黙れ！」と怒鳴られてしまう。しかしソーは私の顔を見るや否や、眉を下げて言葉を詰まらせた。
「いいか……頼む。やらせてくれよ、何か正しいことをやらせてくれ」
先程とは違う弱々しい声色に、私は内心困惑しながら『勿論です』と肯定した。
「今俺の血管の中に何が駆け巡ってると思う？」
突然の問いかけに言葉に迷っていると、ローズさん「チーズソース？」とジョークを投げた。ソーが抗議するように彼を睨み付けたが、当の本人は涼しい顔だ。
「稲妻だ、稲妻」
『う、うん』
ソーはかなり興奮しているようで、心なしが瞳が爛々と輝いている。どうしよう……と迷った瞬間、バナー博士が「稲妻じゃだめだ」と呟いた。
「僕がやろう。ストーンを使ったサノス自身も死にかけた程だ。君達では耐えられない」
「君だって分からないぞ」
スティーブが眉を顰めて言うも、博士の方はとっくに覚悟が決まっているのか、冷静な面持ちのままガントレットに手を伸ばす。
「そうだが、ストーンのパワーはガンマ線だ。僕にとっては……身体の一部だ」
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vanny(プロフ) - Unknownさん» トニー推しの身としては、解釈が合うと言って頂けて一安心です笑これからも頑張って創作に励みますね！素敵なコメントありがとうございました。 (8月30日 12時) (
レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - Unknownさん» このような長い物語を呼んで頂き、本当にありがとうございます。絶対完結させるぞ…！と意気込んで必死に書いて来た日々が報われたような気分です😢私の作品がUnknownさんのお目に止まり、少しでも要望を叶える事が出来ていたのであれば僥倖です。 (8月30日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - そして、3年という長い年月をかけてまで完結してくれたことと、自分の中でのトニースタークの解釈と本当に一致していたのが嬉しいです笑これからも、素晴らしい作品を生み出してください。 (8月29日 0時) (レス) id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - 本当に素晴らしい作品で、一気に読んでしまいました。私もトニースタークの哀しい人生に何か救いがあればいいな、と思っていました。このような本当に素晴らしい作品に出会えた自分の運、そして、作ってくださったことに心から感謝したいです。 (8月29日 0時) (レス) @page49 id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - stupidさん» お気になさらず〜！日常系ですね！分かりました👍ありがとうございます！ (2023年2月11日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：vanny | 作成日時：2022年3月16日 13時
