第205話《かけがえのない》 ページ12
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タイムマシン制作にあたって、散り散りとなった仲間を集める事となった。まずは、ホークアイことバートンさんだ。
彼は_____約10年前、ヒドラに襲われた私を救ってくれた人だ。ベルリンでの戦闘の際は状況が状況だったので呑気にお礼など言えず、それきり一度も会えていない。
「クリントの居場所なら、ある程度の目星はついてる。_____恐らく、今は日本にいる筈よ」
『っ！日本……』
まさか生まれ故郷の名が出るとは想定していなかった為、私は面食らってしまった。しかし、日本とは。
現在世界中では飢饉や恐慌、混乱に乗じて数多くの凶悪犯罪が起きている。そしてそれは残念ながら日本も例外ではなく、かつて高い治安を誇った彼の国は今や______
『危険です。私も同行します』
「ありがとう。でもね、知らない顔が居たらきっと彼は警戒するわ」
もっともな意見に閉口するが、やはり心配なものは心配だ。ナターシャはそんな私に苦笑すると、安心させるかのように肩に手を置いた。
「A貴女、心配症な所までトニーに似るつもり？」
『は？』
「他人の心配はする癖に、自分の身は顧みない人。おまけに過保護で頑固。真似しちゃダメよ」
「でもそのサングラスは良く似合ってるわ」とレンズ越しに瞳を覗き込まれ、思わず心臓が高鳴る。
『……これはただ目の保護の為にかけているだけであって、他意はないです』
エージェントの鋭い洞察力をこんな所で発揮しないでぇ〜っと頭を抱えたくなったが、何とかグッと堪えて無表情を保つ。
私はスノウクイーン、この程度の事で動揺したりしない。よし。
「でもこれ、トニーが持ってた物と同じモデルよね？」
一瞬で呆気なく瓦解した虚勢に、私は意味を成さない呻き声を上げながら顔を手で覆った。
ナターシャはニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべているし、周囲で一部始終を見守っていた基地の職員達からも微笑ましいと言わんばかりの視線を向けられている。やめて。
『ち……違うもん……光に弱いだけなんだもん……』
必死に弁明するも、ハイハイと受け流されてしまう。憧れの人に近付きたいと思うのは当然の感情だが、あえて指摘されると面映い。
そんな狼狽の色を見せる私に、ナターシャは軽く微笑んだ。
「……でもねA、貴女は貴女よ。トニーの代わりになろうだなんて、思わなくていいんだからね」
先程とは違う真剣な言葉に、息を呑む。私は彼女の目を真っ直ぐ見つめ返し、強く頷いた。
元よりそのつもりだ、と。
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vanny(プロフ) - Unknownさん» トニー推しの身としては、解釈が合うと言って頂けて一安心です笑これからも頑張って創作に励みますね！素敵なコメントありがとうございました。 (8月30日 12時) (
レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - Unknownさん» このような長い物語を呼んで頂き、本当にありがとうございます。絶対完結させるぞ…！と意気込んで必死に書いて来た日々が報われたような気分です😢私の作品がUnknownさんのお目に止まり、少しでも要望を叶える事が出来ていたのであれば僥倖です。 (8月30日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - そして、3年という長い年月をかけてまで完結してくれたことと、自分の中でのトニースタークの解釈と本当に一致していたのが嬉しいです笑これからも、素晴らしい作品を生み出してください。 (8月29日 0時) (レス) id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - 本当に素晴らしい作品で、一気に読んでしまいました。私もトニースタークの哀しい人生に何か救いがあればいいな、と思っていました。このような本当に素晴らしい作品に出会えた自分の運、そして、作ってくださったことに心から感謝したいです。 (8月29日 0時) (レス) @page49 id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - stupidさん» お気になさらず〜！日常系ですね！分かりました👍ありがとうございます！ (2023年2月11日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：vanny | 作成日時：2022年3月16日 13時
