世話係と黒豹 (ページ44)

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episode43 ページ44

「組長！お嬢の目が覚めたようです！」

組長「!!今すぐ車を出せ」

騒然とした現場に最小限の人員だけを残して私たちは車に乗り込んだ。緊迫した空気にはお嬢が目覚めたことへの喜びと、さっきまでの緊張と、それから哀しみとが混ざりあって誰も口を開くことは無かった。

霧島「お嬢...！！」

八重花「きりしま、、？」

私は病室に入ることが出来ず廊下に1人立っていた。俯きながら病室の中でのやり取りに耳を済ました。

組長「お前は行かないのか、」

A「...私にそんな権利はないです」

組長「本気で言ってるのか、、」

それに対して何も言うことが出来なかった。本心かどうかなんて自分にも分からない。

でも確かにわかったんだよ。私は透の隣にいるのに相応しくない。彼を支えられない、それどころか組の一員としてすら役目を果たせてない

A「仕事はいつも通りこなしますでも暫くの間組には帰りません、、、」

と言うと、組長は目を見開いてこちらを見た。でもどう言われても今はもう、心がもたない

組長「お前がそのつもりなら俺には止められない、ただ何か困ることがあればいつでも帰ってくるといい。」

無理はするなよ、そんな優しい声を背に私は病院を後にした。