世話係と黒豹 (ページ27)

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episode26 ページ27

A「組長、今日の外出予定はありますか？」

組長「特に何も無いが、、」

A「では今日1日私は外出させて頂いても？」

組長「あぁ、構わない」

今日は透もお嬢も公園で遊んでいてかつ、組長の外出予定がない。そんな日ならあそこに行くのはもってこいじゃないか！
私は久々の再会にワクワクしていた。

会うのは何時ぶりだろう、私が桜樹組に入るまでの1年世話になった恩として偶に仕事を手伝うことはあったが直接会うのは半年ぶりくらい。

私は桃山組の事務所前で身なりを整え、心の準備をしてインターホンを押す。

A「鶴喰です。」

それだけで中に入れるように秀成さんが配慮してくれているらしい。

秀成「よく来たのぉ。来るなら来ると言えばええに。」

A「そうやって気を使わせるから言わなかったんですよ、」

お茶を出そうとするのを止めた。

秀成「まだその時計をつけとったんか。」

私の腕にあるこの時計は私がここを出る時に貰ったものだ。彼に直々

A「この時計はあなたから貰った大切なものですよ？それはもうとても大事にしてます」

秀成「そんなに大事にされるならもっとええもん買ったっちゅうに」

A「いえ、私これすごく気に入ってて。しかも秀成さんが頭ねじって迷ってくれただなんて真白さんに聞いてからはほんとに大切で大切で仕方なくて」

と言うと秀成さんは小さくため息をこぼし眉間のシワを少し深くした。

秀成「あいつは自由すぎてようわからんわ。何考えてんのかまったく、」

それでも実力があるのは確かだからね。私は香水臭くて苦手だけど、それに私にとって秀成さんはお父さんのような人だからね

しばらく話していると私に1本の電話がかかってきた

A「あ、すいません。電話少し出ますね」

と言うと視線だけで頷く

A「透？どうしたの？」

霧島「いや、どこにいんのかなって思って」

A「何？寂しいの？」

霧島「違う」

A「そっかそっか、わかったよ。」

と言って電話を切った。

秀成「桜樹組の悪魔か。随分丸くなったもんじゃな。寂しんぼは可哀想じゃ帰ってやれ」

A「そうですね。では是非また。」

と言い私は帰りにドーナツを買ってこうだなんて考えながら"私"が生まれた家を後にした。

その後桃山組事務所にて

真白「ただいまぁー！ねぇ、組長今日は楽しかった？」

秀成「真白。いい加減にせぇや」

真白「えぇー、いつもより眉間のシワが浅いよ？」

真白は凄い。黙ってればね