羽ばたけるなら3 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:12,143 hit

林間合宿前（1）ページ7

焦凍とパフェを食べにいった次の日、お茶子と緑谷くんがヴィランに遭遇したことを聞いて、心配のあまり2人に抱きついた。

抱きつかれた後、カチンコチンに固まった緑谷くんは、一日中私の顔を見ると顔を真っ赤にして、話していてもカタコトで何言っているか分からないポンコツ状態となってしまった。

緑谷くんには、あまり触れないよう気をつけよう。
心の中で固くそう誓った日になった。

そして、今日は終業式。
体育祭、職場体験、保須事件、期末テストと濃密だった雄英高校の前期課程が終わり、夏休みがはじまろうとしていた。

「お茶子、今日行こう。前言ってたやつ」

終業式で、早く学校が終わったから、今日こそ、前々から行きたかった駅前のクレープ屋に行くぞ！

「楽しみだ！めっちゃ行きたいって言ってたやつ！Aとやっと行ける！」

「ね〜早く行こう」

「せっかくやし、緑谷くんと飯田くんも誘おう」

「いいね！」

2人で緑谷くんと飯田くんを誘うと、隣にいた焦凍も「俺も食べたい」と言い出したため、5人で行くことになった。

「どれにしよう。ダメだ。無難なアイスとホイップのやつもいいけど、チーズケーキ乗ってるやつも美味しそう」

「私も迷って決められん…。2人は決まったんだ」
緑谷くんと飯田くんの方を見ると、2人とも注文を終えていた。

「焦凍も悩んでいる感じ？」
「いや、Aが２つ悩んでいるって言ってたから、頼まなかった方頼もうと思ってな」

え…。どういうこと、、

「そしたら、どっちも食べられるだろ」

え、何その神対応…。最近の焦凍がイケメンすぎて怖いんだけど。

「焦凍が食べたいのを食べて良いんだよ？」
「いや、Aが食べたいと思うやつが俺も食いてぇから大丈夫だ」

その会話を聞いていた3人の顔は少し赤くなっている。
焦凍の天然って、やっぱり度を越している。
今日改めてそれを確信した。

「ややややっぱり、その、轟くんと新谷さんって…」
あからさまに同様した、緑谷くんの反応で全て察する。

「違うよ。まぁスイーツ同盟みたいなのは組んでいるかも」
そう言うと、「そっか、ごめんね。てっきり…」と申し訳なさそうな顔をした緑谷くんが謝ってきたので「ううん、こればっかりは焦凍が悪い」と言って彼の方を見た。

当の本人は、コテンっと首を傾げて、何がいけないんだ？という雰囲気を出していたため、説明するのも面倒になり、ハテナをたくさん浮かばせた焦凍をスルーしてクレープを注文しに向かう。