林間合宿（6） ページ16
自販機の前のベンチに座り、ゴクゴクと水を飲み出す爆豪の横に、座ってみる。
「…」
「…」
「私も喉乾いた…お金取りに帰ろ」
横に座ったものの、特に話すこともない。
爆豪が飲んでいるの見て、私も喉乾いてきたし、お金取りに戻ろ…。
飲み終わりキャップを閉めている爆豪を横目で見ながら、その場から去ろうとすると「おい」
っと後ろから彼に声をかけられる。
「ん？どうした？」
振り向くと同時に、ボンっと何かを投げられて思わずキャッチする。
爆豪から投げられたのは、先ほど私が爆豪にオススメしたお茶だった。
「え、何？これ」
私の声に返事することなく、彼はスタスタと歩いて去ってしまった。
これは…、貰っていいんだよね？
飲んだあと、返せとか言われないよね？
飲んでいいか、不安だけど…もし返せと言われたらお金を払って新しいものを買えばいいよね…。
有り難く頂戴しよう。
女子部屋に着くと、既に皆は寝る準備を終えていて、私も急いで寝る準備する。
明日から本格的に個性伸ばしが始まる。
しっかり寝て明日に備えよう！
「Aおやすみ〜」
「おやすみ！」
布団に入り数分すると、どこからか寝息が聞こえてきて、私もすぐに眠りについた。
ーー
「おはよう…」
「おはよ！A。まだ眠そうやね」
「う…ん朝、あんまり弱くないんだけど…」
「早く準備して向かわんと！」
「う…ん」
合宿 二日目 AM5:30
「おはよう諸君。本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及びそれによる仮免の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かう為の準備だ。心して臨むように！というわけで爆豪、こいつを投げてみろ」
相澤先生が爆豪に体力テストの際に投げたボールを渡す。
「前回の入学直後の記録は705.2m。どんだけ伸びてるかな」
「んじゃ！くたばれぇ！！！」
(くたばれ…
「709.6m」
「あれ？思ったより…」
「入学からおよそ三ヶ月。様々な経験を経て確かに君らは成長している。だが、それはあくまで精神面や技術面。あとは多少の体力的な成長がメインで、個性そのものは今見た通りでそこまで成長していない…」
私はどんな課題が課せられるのだろうか…
「だから、今日から君らの個性を伸ばす、死ぬ程キツイがくれぐれも死なないように」
「ふぅ…結構皆、過酷な内容だ」
「A！頑張ろね！」
「だね！」
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作者名：(名前)pasmin | 作成日時：2023年3月10日 1時
