ずるい人※ ページ3
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「…だからね、
私が今呪詛師になっている事も、
高専や両親を捨てた事も、
……Aの手をとったのも、
全部私がした判断だ。決してAのせいじゃない。
だから、自分を責めてはいけないよ。
それに、後悔はしていないんだ。」
いつの間にか、僕の方が泣いていた。
僕は、ずるいなぁ…
傑が〈僕のせいじゃない〉〈僕は悪くない〉って、
そう言ってくれるのが分かってて聞いてる。
今だってそう。
泣いてる僕をいつまでも抱きしめてくれるから、
僕はずっと泣きやめないでいる。
この優しさに溺れてしまう。
そのうち息もできなくなる。
それでも、どうしても求められずには居られなかった。
__五条悟のように、愛されてみたい。
あぁ、なんでかやっとわかった。
菅田さんを殺してしまった理由。
最近たくさん本を読んで、たくさんの言葉を覚えた。
あれは、紛れもない〈嫉妬〉だ。
自分の感情すらまともに分からなかった僕は、
特に、好きとか嫌いとか、
自分基準の感情は未だに分からない時がある。
だから傑を好きと自覚する前に、
無意識の嫉妬が怒りとして出て、
ネックレスを外してしまったんだ。
そうだ…僕は、傑の事が…
『…っ、……好き、…』
「……え?」
『…好き、…傑っ…ごめん、ずるくて、ごめんっ…
こんな風にしか、伝えられなくて、…ごめん、なさい
でも、…どうしようもなく、好きなんだ…』
「……嬉しいな。私も好きだよ。」
『違、…僕の好きは、…傑に、キスされたり…
抱かれたいの、好きだよ…
……僕じゃ、五条悟の代わりには、…なれない?』
少しの沈黙の後、ゆっくりと、
ちゅ…と触れるだけのキスをされた。
それを合図に、僕達は欲のままにお互いを求めた。
シミになった赤い模様がある部屋は、
まるでそこだけ時間が止まっているかのようだった。
好き。
優しく僕を解す指も、
汗ばんだ筋肉質な肌も、
時折見せる鋭い表情も、
首筋を這う柔らかい舌も、
全部が好き。
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大豆 - 一気読みしました。神作すぎです。最高です!!!!!!! (9月25日 20時) (レス) @page28 id: 41f5d68925 (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - 全部一気読みできてよかったです…最高の神作でした!!何回も読み直そうと思います!ありがとうございましたっ! (8月16日 23時) (レス) @page28 id: 4a6be33ef0 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - やばい、めっちゃ好みだわ。泣く (2023年3月3日 17時) (レス) @page28 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - だばぁ(泣) (2022年8月21日 14時) (レス) @page28 id: 2a4261c7b0 (このIDを非表示/違反報告)
M - コメント失礼します! マジで感動しました!タオル一枚濡れる位泣きました!この物語を作っていただきありがとうございます!!!他の作品も応援しています!!頑張ってください! (2022年8月17日 21時) (レス) @page28 id: 97799f7c89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おっ腐 | 作成日時:2022年6月22日 22時