卵焼き ページ17
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12月24日。
今日は世間一般でいうクリスマス・イブ。
『おはよー…早起きだね傑〜…』
「おはようA。
朝ごはんできてるよ。」
『えっ…傑が作ったの!?』
「日頃の感謝のつもりだったんだけど…
ははっ、やってみると難しいものだね」
『どれどれー?……ふふっ、うん、頑張ったね』
眉毛を下げて困ったように笑う傑。
その後ろにあるテーブルを覗いて見ると、
焦げた鮭に、丸まっていない卵焼き。
漬けておいた胡瓜のお新香の厚みはバラバラで、
見るからに硬めの白米と、色が薄いお味噌汁。
お世辞にも上手いとは言えない料理だけど、
僕に丁度いいキッチンの高さを、
大きな体を丸めて一生懸命作る傑を想像すると、
愛おしくて笑ってしまう。
『ふぅ…ごちそうさまでした』
「はは、残しても良かったのに」
『んーん、いいの。
ねぇ傑、次は僕と一緒に作ろうよ。
卵焼き教えてあげる!』
「……うん、そうだね。楽しみだ。」
その後も傑はお皿洗いをすると言ってくれたが、
さすがにそれは申し訳なくて僕が洗った。
食休みも終わり、出かける準備をして、
僕達は午前中の内に家を後にした。
外は、当たり前のようにいつもと違った。
なんていったって今日はクリスマスイブ。
まだ明るいというのに大袈裟にイルミネーションが
施された街並み、
浮かれたカップルがごった返していて、
どこもかしこも赤と緑で飾り付けされた店に、
サンタの格好をした人がケーキを売っていた。
僕達はそんなクリスマス一色の街に馴染んでいて、
案外騒がしいのも悪くないと思えた。
僕達は色違いのマフラーを買った。
傑はダークネイビーのマフラーで、
僕はホワイトのマフラー。
端にそのお店のロゴが刺繍されている。
帰りにケーキを買って、花火を見た時に行った
傑の秘密基地へと向かった。
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大豆 - 一気読みしました。神作すぎです。最高です!!!!!!! (9月25日 20時) (レス) @page28 id: 41f5d68925 (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - 全部一気読みできてよかったです…最高の神作でした!!何回も読み直そうと思います!ありがとうございましたっ! (8月16日 23時) (レス) @page28 id: 4a6be33ef0 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - やばい、めっちゃ好みだわ。泣く (2023年3月3日 17時) (レス) @page28 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - だばぁ(泣) (2022年8月21日 14時) (レス) @page28 id: 2a4261c7b0 (このIDを非表示/違反報告)
M - コメント失礼します! マジで感動しました!タオル一枚濡れる位泣きました!この物語を作っていただきありがとうございます!!!他の作品も応援しています!!頑張ってください! (2022年8月17日 21時) (レス) @page28 id: 97799f7c89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おっ腐 | 作成日時:2022年6月22日 22時