昔話 ページ14
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『うわぁー……綺麗…』
「いい所だろう?私の秘密基地だよ。」
『うん…すごい、』
「ははっ、それはよかった。
ほら、ここに座ろう。」
そう言って、傑は真ん中に立っている大きな木の下に
ゆっくりと腰を下ろした。
『…なんか、立派な木だね』
「桑の木だよ。
今は暗くて見えないけど、赤や黒の実がなっているはずだよ。…あ、ほら、あそこ。見える?」
『んー……あっ、見えた!』
「ふふっ、Aは花火より桑の実に夢中だね」
『傑が教えてくれるものは全部覚えていたいから』
「…そっか」
そう言って、傑は笑った。
しばらく花火を眺めて、
そろそろクライマックスという頃、
「……桑の花言葉を教えてあげようか。」
と、ポソリと小さな声で言った。
『花言葉…?なに、それ』
「んー…種々の花や木に象徴的な意味を持たせた
〈言葉〉だよ。」
『そんなのあるんだ。この木の意味はなんて言うの?』
「んー…そうだね。まずはその意味の由来を話そう」
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〈 ロミオとジュリエット〉の本は読んだかい?
そのロミオとジュリエットの題材になったと言わている
〈 ピュラモスとティスベ〉というギリシャ神話が、
この桑の木の花言葉の由来だよ。
〈 ある所に、ピュラモスとティスベという
互いに愛し合っていた二人の若者がいました。
しかし、両親は二人の関係を反対し、
二人は夜に駆け落ちすることにしました。
二人は桑の木の下で待ち合わせをしました。
ところが、先に到着したティスベの前に、
血まみれのライオンが現れました。
危険を感じた彼女は、
被っていたベールを落としてしまいます。
遅れてやって来たピュラモスは、
血まみれのライオンとベールを見て、
愛するティスベが死んだとかん違いして、
悲しみ自害してしまいました。
その後、戻って来たティスベも、
後を追って命を絶ってしまいました。〉
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上:桑の木 下:桑の実(マルベリー)
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大豆 - 一気読みしました。神作すぎです。最高です!!!!!!! (9月25日 20時) (レス) @page28 id: 41f5d68925 (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - 全部一気読みできてよかったです…最高の神作でした!!何回も読み直そうと思います!ありがとうございましたっ! (8月16日 23時) (レス) @page28 id: 4a6be33ef0 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - やばい、めっちゃ好みだわ。泣く (2023年3月3日 17時) (レス) @page28 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - だばぁ(泣) (2022年8月21日 14時) (レス) @page28 id: 2a4261c7b0 (このIDを非表示/違反報告)
M - コメント失礼します! マジで感動しました!タオル一枚濡れる位泣きました!この物語を作っていただきありがとうございます!!!他の作品も応援しています!!頑張ってください! (2022年8月17日 21時) (レス) @page28 id: 97799f7c89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おっ腐 | 作成日時:2022年6月22日 22時