魔法が解けるまで ページ17
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しかし問題は、肝心のトレイがいないことである。彼は部活の友人であるルークにも嘘の事情を話し、寮にもいない。
「話は大体理解したよ。トレイの行き先だね?」
「ええ、でもルークにも話していないのなら…」
「もしかしたら、分かるかもしれないよ」
ルークの言葉にみんなが驚いた。
「彼は気になる人がいると前から言っていたよ。きっと会いに行ったのだろうね、以前助けた人魚姫に」
「それって…!」
「きっと君のことさ」
ルークはそう言ってAの方を見た。Aは喜びで頭が真っ白になった。自分が探し求めていた王子様が、同じようにAを探し求めていたのかと。そう考えるだけで舞い上がりそうになるし、嬉しさが止まらない。
「でも…!それじゃあ魔法薬が切れるまでに会えますか!?」
デュースが叫んだ。ここまで辿り着くまでに、すでに2時間以上経っている。つまり、魔法薬が切れるまで7時間を切っている。意外と長く感じるかもしれないが、トレイが今どこにいるのか明確に分からない以上、必ず今日中に出会えるとは限らない。
「それは分からないね。トレイが残した情報を頼りに辿っていくしかない。無策で探しにいくのは無謀だろうね」
「ええ、ルークの言う通りだわ。でも、何としてでも12時までに見つけなくちゃ…」
_________泡になって消えてしまう。
今更になって、その言葉の重みがAの心に重くのしかかった。
王子様が誰なのか分かったのに。Aがここに来た時にはもう、王子様はここから去っていたのかもしれない。
「何としてでも見つけよう」
デュースが言う。彼の眼はより真剣になっていた。目線の先のエースも、デュースの言葉に頷く。
「この時間が勿体ないわね。トレイが行きそうなところを考えましょう」
「本当ありがとうございます…初めて会ったのに、ここまで親切にしていただいて」
「気にすることないさ、1人の少女の命が掛かっているんだ。何もしないなんてできない」
そうルークはAに言う。これほどまでに頼もしい存在、海で待つ友人たち以外に初めて出会ったかもしれない。
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さーも(プロフ) - 巫香渚さん» バースデーは比較的来てくれるような気もしますけど推しになるとこないですよね笑ギリギリまで頑張ってください!! (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e0f107a18 (このIDを非表示/違反報告)
巫香渚(プロフ) - おじたんが二十連で…!羨ましいです。私も二十連したのですが、来てくれませんでした.8月1日まで粘るつもりです。 (2021年7月29日 18時) (レス) id: 254cdf7334 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーも | 作成日時:2021年7月2日 21時