手掛かり ページ34
.
そんなジェイドの安心を他所に、2人の女子高生たちは顔を青くしていた。それに気付いたトレイは、それが何故なのか分からなかったので、ボードに、
『どうかしたのか？』
と書いた。それを見た2人は、今度は少し気味悪そうな顔をしたのだが、ジェイドが「諸事情あって、声を出せないんです。今だけです」と言うと、納得したのか、状況を読むしかなかったのか、少女たちは恐る恐るといった感じで話し出した。
「貴方がAの言う王子様で間違いないですか？」
「NRCに通う人であること、そして声しか手がかりが無かったのです。私達はその王子様の声を知りませんから、確認のしようもありませんが」
Aという名前に心当たりはもちろん無いのだが、トレイは少し考えると、ボードに、
『俺で間違いないはずだ。NRC生で、この日に砂浜に居て、彼女は声を聞いていた。この条件に俺は当てはまる』
と書き綴ると、今度はジェイドが
「では、Aさんにお会いする事はできますか？現在どちらにいらっしゃるのでしょうか」
と、言った。
その言葉を聞いた女子高生過ぎて2人は、ますます顔色を悪くして、
「実は…貴方に会いに、今NRCに行っているところです」
「そんな…！まさか入れ違いですか！？」
「お二人は砂浜までどうやって来られましたか？Aは飛行術ができませんから、おそらく徒歩か公共交通機関を利用しているはずです」
「トレイさんの箒に乗って来ました…」
「時刻的には同時期でしょうが、この辺りですれ違いが起こったのでしょうね。しかし…よくない展開になりました」
「どうしよう…マリーこのままじゃAが…」
「早まるのは良くないわよ、アリア」
マリーとアリアという名前であると分かった2人の会話を聞いたジェイドは、2人の会話が不穏であることに気がついて、
「何か問題がありましたか？」
「実は、彼女が利用した薬は『擬似人魚姫体験』という魔法薬なんです…」
「あの薬ですか！？彼女の条件は一体…！」
変な名前の薬だな、とトレイは思った。しかし、ジェイドが過敏に反応しているのを見ると、人魚の間ではよく知られている薬なのだろうか。
アリアはジェイドとトレイを見据えて、条件を言った。
「『王子様に会えなければ泡になって消える』です」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さーも(プロフ) - 巫香渚さん» バースデーは比較的来てくれるような気もしますけど推しになるとこないですよね笑ギリギリまで頑張ってください！！ (2021年7月29日 21時) (
レス) id: 3e0f107a18 (このIDを非表示/違反報告)
巫香渚(プロフ) - おじたんが二十連で…！羨ましいです。私も二十連したのですが、来てくれませんでした．8月1日まで粘るつもりです。 (2021年7月29日 18時) (レス) id: 254cdf7334 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さーも | 作成日時：2021年7月2日 21時
