20時間目 ページ24
一旦心を落ち着かせ、次の日もう一度あの転校生と向き合おうと思っていた。
しかし、何度見てもその黒い箱状の砲台は、ガムテープで縛られている。
「…寺坂くん？」
「ああ、そーだよ。どー考えたって邪魔だろーが」
「だからといって、もっと別のやり方もあったんじゃないの？」
「そんなのどうでもいーんだよ、俺が少しでもマシに過ごせりゃそれだけで充分だ」
何を言っても聞いてくれなさそうな雰囲気だ。
…だからといって私、そこで引き下がるような人間じゃないけどね？
「人間じゃないとはいえ、仮にも協力して暗殺するクラスメイトなのに？本来、お互いに気持ちよく過ごせるように話し合って解決するべきことでしょ？
…というか、自分も今同じことしてるって気付いてないの？クラスの和をぶち壊してる。
ああ、そっか。想像力が皆無なんだ。ならしょうがないね〜、許す理由にはなんないけど」
寺坂は、時々反論したいのか口を動かしていたが、結局何も言ってこなかった。
「………こいつらに付き合ってなんかられねーよ。
授業サボってどっか行くぞ」
寺坂組は教室を去り、その日は戻ってこなかった。
自律思考固定砲台は拘束を解かれたが、その日は発砲してこなかった。
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〈自律思考固定砲台side〉
その夜、ターゲットが私の所に来た。
「今日は暗殺して来ませんでしたが、何か心境の変化でもありましたか」
「よく…分かりません。
でも、何か…
あの人が私を庇ったとき、何かが生まれました。
プログラムされていたものではなく、0から生まれました。
データがないので、あれの正体は、図りかねます」
「それはきっと、『感謝』や『信頼』でしょう。」
噂を聞いたことはあります。
しかし、私は機械。
それを本当の意味で『知る』ことは、無理だと思っていました。
…でも、あの時のことを何度振り返っても。
『感謝』『信頼』=この『何か』だという結果が、私の中で導かれるのです。
「きっとあなたは、それをどうすればいいのか、分からないのだと思います。
…先生も、初めはそうでした。
それを表現することは貴女にしかできませんが、表現する手伝い位は出来ます。
ウイルスは入っていないので、向き合う覚悟があれば、受け取ってほしいです」
未知の感覚は、怖いです。
でも、これを忘れてしまうことも、怖いです。
私は数秒考えた後、そのプログラムに手を伸ばした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーキャラ
イリーナ・イェラビッチ
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MILLY(プロフ) - 主人公ちゃんがかわいいです！更新頑張って下さい。楽しみにしてます( ＾∀＾) (はやみねかおる先生のファンだったりします。なかなか本屋による機会がなくて新作読めてないですが今でも好きです。) (2018年2月4日 2時) (
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作者名：ヨム | 作成日時：2017年8月9日 22時
