なにかを成し遂げるのに犠牲はつきもの ページ4
真っ赤っか
熱いなぁ
目の前の城は真っ赤に燃えている
私はその城を背に向けてこの国の出口に向かって歩く
街からは泣き声がきこえる
後ろからは城から死ぬ気で逃げる兵士が私を追い越す
だが目の前で倒れてしまう、血を流して彼も真っ赤っか
ああ、そこに倒れているのは私、教授の私、トーマス·リーバストに勉強を教わっていた優しい子、レベッカ
「トーマスせん、せい」
まだ息はある、だが傷だらけ、もう彼女も長くないでしょう
『大丈夫ですかレベッカ』
優しく彼女を抱き起こす
「家に、ま、まだ、お、お母さんが、いる、んです」
そう言って真っ赤に燃えている家を指差した
彼女の家だ
『大丈夫、大丈夫です、お母さんには絶対に会えますよ』
「ホン、ト、に？」
『この薬を飲めばすぐによくなります、体の痛みもすぐによくなります、私がつくりましたから、早く元気になってお母さんに会いにいきましょう』
そう言って私は小瓶を取り出す
そしてその小瓶をレベッカの口に近づけて優しく小瓶の中の液体を飲ませる
確かにこれは薬だ、痛みなんてすぐになくなる、苦味もない
しかしこれは
毒薬だ
「トーマスせんせ、、、い、」
『眠いなら寝てしまいなさい、起きたらお母さんに会えますから』
「う、、ん、お休み、せんせ、い」
『お休みなさい、、、』
抱えている彼女はもう手に力も入っていない
笑顔で眠っている彼女は可愛らしかった
私はレベッカをその場に寝かせ再び歩き出す
ここにきてわずか１年、そして、我々国を出て何年たったことか、そしてこの国は私が我々国を追放されて何回目に滅ぼした国か
いくら犠牲を払って、手を赤黒く染めれば、証拠はでるのか
どうしてこんなレベッカのような優しい子が我々国の敵とも言える国にいるのか
何度も何度も考えた
私がこの国を滅ぼさなくてもこの国は、レベッカは死んでいたでしょう
我々国の敵になれば死はまぬがれられない
だからこの子のように優しい子達とは関わりをもってはいけない
なぜって？皆私をしたうからだ
自分達を不幸にしたのを私だなんて夢にもおもわないで
そこに倒れている果物屋のおばさんも
そこの魚屋さんも
(あら、トーマスさんじゃない！このリンゴ１つサービスするわねー)
(おう、トーマス先生！いい魚が入ったんだ１匹どうだい？)
私がこの国を滅ぼした犯人だとも知らないで
ホントにごめんなさい
全部私のせいだ
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ららら - 更新いつまでも待ってます。 (9月5日 21時) (
レス) @page11 id: a3ec129013 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2021年1月18日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
すいれん - 頑張って下さい！そして続き待ってます！ (2020年5月19日 1時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
姫野 叶(プロフ) - 把握です！(誰やねんお前) (2020年5月16日 16時) (レス) id: 3cdd924580 (このIDを非表示/違反報告)
のうみそぽっぷこーん - 非ログ民ですが、読ませていただきました。とっても面白くて好みです！これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年5月14日 22時) (レス) id: ad30d81386 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グレイ | 作成日時：2020年5月10日 19時
