松川一静は幼児化していた〔ハイキュー × 名探偵コナン〕 (ページ8)

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(８)：微かな矛盾ページ8

当たり障りの無い日常、変わった事はそこに及川が加わった事。
幼児化した時点で非日常だが。
それでも、その日常がとても心地良かった。
もし、俺がここで本当の事を言ったら。
コイツらは俺から離れて行くのだろうか。
あの時の、父と母の様に、蔑んだ目で見られるのだろか。
今でも思い出す。
あの時の両親の冷たい目を。
何度も夢に見た。
俺のせいで死んだと嘆く仲間達。
俺のせいで生きる希望を無くしたと啜り泣くマネージャー。

「松川、どうした？」

「いや、なんでもない」

心配した顔で俺を見る岩泉にそう返し、先を行くチームメイトに駆け寄る。
時々、及川は疑う様な目で俺を見る。
アイツの純粋な瞳は、俺の全てを見透かしてそうで怖い。
及川は、天才に限りなく近い平凡な人間だ。
ベストセッター賞を録ったと言う事もあり、その能力は県内では知れ渡っている程。
一度見ただけで相手のプレーを目測し、二度見れば相手の調子が解り、三度見れば得意不得意を見分けられる。
非常に観察眼に優れた男だ。

「松つんってさ、たまに思い詰めた様な顔をするよね」

2年に上がっても、3年になっても及川に何度も言われ続けた言葉。
確かにそうなのかも知れない。
それでも、止まらないんだ。
この罪悪感は。
俺があの時、あの体育館裏に居なければ。
俺が、俺がなまえと出会わなければ……
………あれ。

どうして、なまえなんだ……？