仮面が3枚 ページ3
朝練が始まると共に、体育館へ駆け込む一つの影。
その正体は、2年生のもう1人のマネージャーの、
彼女は仕事熱心なのだが、遅刻や不器用さが余りにも目立ってしまう。
不器用なのもう慣れたので良いのだが、遅刻癖だけは治らなかった。
「石川、遅いぞ」
「ふぇ、す、すみませぇん…私ぃ……低血圧でぇ…」
「いつも言ってるだろ?皆、本気で部活をしてるんだ。中途半端にするなら、辞めてくれって。
それに、低血圧でも皆朝練に遅刻せずに来ているんだ。清水を見習え」
「ううっ、ごめんなさぁい…」
毎日の様に遅刻をする彼女に、澤村が注意をする。
そして彼女が涙を目に溜めて、力なく謝る。
日常茶飯事だった。
殆どの部員は既に諦めていて、彼女の事を目に留めもしなかった。
今は謹慎中だが、あんなにバレー熱心な西谷でさえも、もう何も言わないのだ。
「潔子せんぱぁい……ふぇ、ごっ、ごめんなさ…」
「次からは気を付けてね。遅れた分は、仕事で取り返せば良いから」
「うぅ、すみませぇん…」
「いつまでも泣いてないで、仕事」
彼女は一度泣き出すと中々泣き止まないのだ。
お陰様で、何度練習が中断した事か。
最初の方は手を焼いていたが、今はもう部活の事だけしか目に見えていなかった。
朝練に来ても泣いてばかりで、放課後も遅れて来る。
呆れたものだ。
____じゃあ、ワタシと替わってヨ。ぶっ潰したい
駄目だよ。そんな事したら、あの子の立場が…
____今でも結構立場危ういし、大丈夫だヨ
ううん、それでも駄目。もし、私が我慢出来なくなったら、その時にお願いしてもいい…?
____……仕方ないなぁ。キヨコが駄目そうになったら、即ワタシと交替ネ
うん。その時ね。
もう1人の私、Aとはもう長い付き合いだ。
彼女はいつの間にか私の中にいて、私はAであり、Aは私、2人で一つだった。
私が危なくなればAが助け、Aが危なくなれば私が助ける。常にそうだった。
それでも、気味悪がられる事も何度もあった。
だから、私は、私達は、お互いの存在を否定しあって生きてきた。
無駄だってわかってる。
それでも、それでも……
私は人に嫌われたくない。
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サラン(プロフ) - 梨月さん» 安心してください!!潔子さんはいつだって女神です!!!もちろんこの作品でも!!お褒めの言葉有難うございます!大変光栄に思います^^*ご期待に添えられるよう、精一杯努力していきます! (2017年9月8日 20時) (レス) id: 35f8c5cbb5 (このIDを非表示/違反報告)
梨月 - 潔子さんに裏の顔が、、、、(/_;) 小説おもしろかったでーす!! 続き楽しみにしてます!(^^)! (2017年9月2日 21時) (レス) id: b4a84e38e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サラン | 作者ホームページ:http://uranai.
作成日時:2017年2月20日 16時