(56):A lover 5 ページ26
「そう言えば、Aの両親はどうしてるんだ?」
私が淹れた紅茶を啜り、彼はふと思いついた様に言う。
両親は殺された、何てそんな物騒な事は言えない。
彼は私が帰国子女なのは知っている。
……なら、騙すのも簡単だ。
「うーん、お母さんは離婚して居ないけど、お父さんは
「そうだったのか…。すまない、辛い事を聞いた」
「全然。たまにお母さんとは連絡取り合ってるし、私の零くんの関係については何も言わないよ」
お父さんもね、と付け足し、ニコりと微笑む。
自分の為の嘘でも、彼を騙す事に、少しずつ、少しずつ罪悪感が募っていく。
そんな気持ちも全部押し殺して、私は彼をまた騙していく。
彼だけじゃない。
松田陣平にだって、萩原研二にだって。
「零くんの両親はどんな人なの?」
「俺の親父は、警察官だったんだ。殉職してしまったが、日本を誰よりも誇りに思っていて、正義感の強い人だったよ…」
「そっかぁ。じゃあ、零くんはそのお父さんを追って警察に?」
「それもあるが……、約束したんだ。最初で最後の、親父との約束」
何処か懐かしげに遠くを見つめる彼。
彼の両親の話は漫画では見た事がない。
見逃しているのかもしれないが、創られたこの世界で、唯一の手がかりなんだ。
彼の言う事が私の様に偽りだったとしても、関係無い。
彼の過去も、未来を決めるのも、作者自身だ。
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A - 何がしたいのかいまいちわからない。組織を壊滅したいとか言ってる割には ムカついたからクラスメイト殺します。とかやってること犯罪者だし、思考がガキ。読んでてただただ主人公に嫌気がさしました。 (2018年9月1日 0時) (レス) id: 2f4ff48b26 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - うららkさん» 有難うございます!ご期待に添えられるよう、これからも頑張っていきます! (2017年2月17日 16時) (レス) id: 35f8c5cbb5 (このIDを非表示/違反報告)
うららk - とても面白かったよ!更新頑張ってね(^ω^) (2017年2月17日 15時) (レス) id: c357f5467c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サラン | 作者ホームページ:http://uranai.
作成日時:2017年2月14日 18時