検索窓
今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:168,607 hit

(56):A lover 5 ページ26

「そう言えば、Aの両親はどうしてるんだ?」




私が淹れた紅茶を啜り、彼はふと思いついた様に言う。
両親は殺された、何てそんな物騒な事は言えない。
彼は私が帰国子女なのは知っている。
……なら、騙すのも簡単だ。




「うーん、お母さんは離婚して居ないけど、お父さんはあっち(アメリカ)の病院で働いてるよ」



「そうだったのか…。すまない、辛い事を聞いた」



「全然。たまにお母さんとは連絡取り合ってるし、私の零くんの関係については何も言わないよ」




お父さんもね、と付け足し、ニコりと微笑む。
自分の為の嘘でも、彼を騙す事に、少しずつ、少しずつ罪悪感が募っていく。
そんな気持ちも全部押し殺して、私は彼をまた騙していく。
彼だけじゃない。
松田陣平にだって、萩原研二にだって。




「零くんの両親はどんな人なの?」



「俺の親父は、警察官だったんだ。殉職してしまったが、日本を誰よりも誇りに思っていて、正義感の強い人だったよ…」



「そっかぁ。じゃあ、零くんはそのお父さんを追って警察に?」



「それもあるが……、約束したんだ。最初で最後の、親父との約束」




何処か懐かしげに遠くを見つめる彼。
彼の両親の話は漫画では見た事がない。
見逃しているのかもしれないが、創られたこの世界で、唯一の手がかりなんだ。
彼の言う事が私の様に偽りだったとしても、関係無い。
彼の過去も、未来を決めるのも、作者自身だ。

(57):A lover 6→←(55):A lover 4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (68 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
105人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 転生トリップ , 安室透/降谷零   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

A - 何がしたいのかいまいちわからない。組織を壊滅したいとか言ってる割には ムカついたからクラスメイト殺します。とかやってること犯罪者だし、思考がガキ。読んでてただただ主人公に嫌気がさしました。 (2018年9月1日 0時) (レス) id: 2f4ff48b26 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - うららkさん» 有難うございます!ご期待に添えられるよう、これからも頑張っていきます! (2017年2月17日 16時) (レス) id: 35f8c5cbb5 (このIDを非表示/違反報告)
うららk - とても面白かったよ!更新頑張ってね(^ω^) (2017年2月17日 15時) (レス) id: c357f5467c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サラン | 作者ホームページ:http://uranai.  
作成日時:2017年2月14日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。