メール ページ19
そしてまた次の日。
もう彼女と出会って一週間が経った。
今日も彼女からのメールに。
『今日も来て頂けますか?
病室には誰も来なくてつまらないですし』
そんなメールが来たら断る訳にもいかない。
しかし今日は五大幹部会があるため、あまり長い時間彼女といるわけにはいかない。
中原 「はぁ……」
俺は大きな溜め息をつくと後ろから姐さんに声をかけられた。
尾崎 「彼女のことが気になるのかぇ?」
いきなり痛いところを突かれ、思わず携帯を落としそうになってしまった。
中也 「ね、姐さん!?どうしてわかるんですか!?」
そう言うと尾崎は俺の携帯を覗こうとするが慌てて携帯の電源を落とした。
尾崎 「お主が悩むことなど、だいたい分かっておるわ。何たって育ての親じゃからのう」
尾崎は着物の袖を口にあててくすくすと笑う。
そんな中、中原は今日の予定をどうするか悩んでいた。
病院は早くに受付が終了してしまうため、できるだけ早く行きたいのだが、何せポートマフィアの五大幹部のことだ。
書類整理に五大幹部会、任務だってある。
そんな中、時間を見つけるのは本当に難しい。
中原 「……こうするしかないか・・・」
一方Aは_______________
中原にメールを送るも、返事がなかった。
『中也さんにメールしたけど、忙しいんだよね、邪魔しちゃいけないし・・・』
しかし、心のどこかで来て欲しいと願っていたのだろう。
私は携帯を少し強く握り締めた。
そんな私の願いは届かず、いつの間にか夜になってしまっていた。
看護士さんに「あれ?今日はあの人来ないんだね」と言われ、「そうみたいですね」といつもの笑顔で返す。
内心、今日も会って話したいと思っていた。
きっとあの人は毎日私と違う外の世界をいくつも見ている。
その話をするのが楽しくて、とても好きだ。
だから今日もその話をしてもらえないものかと忙しいことを知りながら願う私は図々しいだろうか?
分かっているのに諦めきれない。
もしくは寂しがり屋なのだろうか?
この広く、薬品の匂いのする空間は一度誰かが来てしまえばそこは賑やかな空間へと変わるのに・・・。
『来るわけ……ないよね・・・』
今日はどうしているのかと窓の外を見つめた。
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さやりん(プロフ) - ごめんなさい!!更新サボり直します!!これからもよろしくお願いします! (2017年10月12日 21時) (レス) id: c100a06976 (このIDを非表示/違反報告)
烏鴉 - 更新 楽しみにしてます! (2017年10月12日 21時) (レス) id: 4ab4165ff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さやりん x他1人 | 作成日時:2017年7月27日 19時