母からの電話 ページ14
芥川とAとの間の沈黙は1本の着信音によって掻き消された
プルルルルルルッ
Aはその音を聴いて携帯電話を取り出すと"お母さん"という文字に慌てて電話に出る
久しぶりにお母さんと話せると思いわくわくと心を弾ませた
『もしもし?お母さん?』
母 「A!貴方は無事なの!?」
パニック状態なのだろうか
声が震えており、必死にAの安否を聞く
『お母さん、私は大丈夫だよ。お母さんこそ、そんなに慌ててどうしたの?』
母 「無事なのね。よかったわ。お父さんが朝遺体で見つかったって言うからもしかしたらと思って心配で・・・」
Aの携帯は楽な体制で話せるようにしているため、電話はいつもスピーカーにしていた
スピーカーから漏れる声に芥川が反応を見せる
芥川にとってはAといる時間など心を傷めるだけにすぎない
何も知らないAが哀れか幸せか・・・
尚もAとその母親の会話は続く
母 「お母さん、時間が空いたらそっちに行くから待っててね」
『うん、わかった。気を付けて戻って来てね。私、待ってるから』
それだけを言うとお母さんの方から電話を切る
多分それほどまでに忙しいのだろう
Aは電話を切るともう一度芥川を見る
Aの母親は芥川や中原など上の階級構成員を知らない
芥川はそれをわかっているため、慌てはしないものの、自分がいるときにここに来られては気不味いったらありゃしない
早く中原が来てくれることを願うばかりだ
別に殺した奴の家族事情など知ったことではないのだが、中原とAの今の関係を見るにそういう訳にもいかないようで
Aは芥川と少しでも仲良くなれないものかと懸命にその手段を考える
しかしそう簡単に思いつくはずもなく、やはり黙ってしまうだけだった
79人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さやりん(プロフ) - ごめんなさい!!更新サボり直します!!これからもよろしくお願いします! (2017年10月12日 21時) (レス) id: c100a06976 (このIDを非表示/違反報告)
烏鴉 - 更新 楽しみにしてます! (2017年10月12日 21時) (レス) id: 4ab4165ff1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さやりん x他1人 | 作成日時:2017年7月27日 19時