番外編２ ページ42
番外編２
朝から刺々しい日差しがアスファルトを熱して、ジメジメとした嫌な暑さがした。やっぱり夏はキツいな。
林間合宿もとうに終わり夏休みになった。世間は相変わらず引退したオールマイトの話題でもちきりだし俺も気になるけど、今はそれよりAだ。
学校があると短い時間しか会えねぇけど、夏休みだから思う存分会いに行ける。それに今の内に時間使わねぇとな…夏休みが明けたら寮生活、今までみてぇに時間とれなくなるだろうから。
病院につきAの病室を開けるとAが俺の方を見て「おはよう、焦凍」と挨拶をする。
「今日はちゃんと朝飯食ったのか？」
「うん、相変わらず味薄くて美味しくないけど」
「病院だからな…」
そろそろ外出許可も出るだろうし、そうしたらAを色んな所に連れて行ってやろう。ずっと病院に篭ったままじゃ退屈だろうしな。
もう退院しても大丈夫な気がするけど、まだ医者達はAが暴走したり死のうとすると思ってる。Aは医者に事情を話したりしねぇし、知られたくない事ならと俺も誰にも言ってない。
いじめとかあの日の出来事とか、知ってるのは当時者の奴ら…それから俺と緑谷だけ。
「折角の夏休みなのにずっと私の所に居て、他にしたい事とかあるんじゃないの？」
「別に遊んだりしねぇしトレーニングなら夜にしてるからな。それに今はお前に時間を割きてぇから」
「……そっか、ごめん」
自分なんかに焦凍の時間使わせてしまって。といった顔で申し訳なさそうにするAに「俺がやりたくてしてる事だ」と言いながら椅子に座る。
Aは少しずつだけど、目に正気が戻って顔を上げるようになった。ずっと俯いたままだったから本当によかったと思う。
俺が道を踏み外そうとした時、Aは俺を救ってくれた。なら、今度は俺がAを救わねぇと。
「…ありがとう、焦凍」
「なんだ急に」
「だって焦凍には色々感謝してるから」
「…………」
頭を撫でようと手を伸ばして、俺は躊躇する。
男に酷い事をされてトラウマになってるなら、俺が触れるのは怖くねぇだろうか。Aを怖がらせたくねぇ。
俺が不自然な体制で止まった事で不思議に思ったのか、Aが「どうしたの？」と首を傾げる。
「……いや、触っても問題ねぇかと思って」
「え、大丈夫…だけど」
「俺は怖くねぇのか？」
．
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クロ - 凄く素敵でした✨私は今まで読んできた轟の夢小説の中で、この作品が一番大好きです!次の作品も楽しみにしています! (11月22日 16時) (
レス) @page47 id: 0a0119112e (このIDを非表示/違反報告)
あやぎり(プロフ) - 妙にリアルな感じがめちゃくちゃ好きです…！主様の文もとても惹かれるもので素敵でした！完結おめでとうございます！次の作品も楽しみにしております♡ (2023年5月2日 20時) (レス) @page47 id: d40ddaf348 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 次の作品を楽しみにして待っています…！ (2022年5月14日 21時) (レス) id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 私の中では兄弟恋愛がなかなか受け入れられないものなので普段は見ようとしないし、何なら兄弟恋愛かもって思った時点で見るのをやめようかと思いましたが、この作品はこれでおしまいじゃなくて続きを読んでみたいと思うほど面白かったです。 (2022年5月14日 21時) (レス) @page47 id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
るう - いぢめてたモブ達への復習ナシは流石に胸糞が残る (2021年9月7日 23時) (レス) id: 63584da8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月19日 23時
