第４６話 ページ4
第４６話
「で、この公式を…」
私の苦手な数学の授業。ちゃんと聞かなきゃいけないのに、何も集中できない。
結局あの後、直ぐに先生が来てホームルームが始まってしまい私は自分の席に戻るしかなかった。時間だけが刻一刻と過ぎていき、私は膨れ上がる罪悪感に押し潰されそうになる。
焦凍が怒ったのは紛れもなく私のせいだ。でも本当に綾瀬さんを応援するつもりで、焦凍には他に何も言ってない。利用されてるなんて、言ってない。
その誤解は早く解いて謝らなきゃ。
嫌だ、折角綾瀬さんは私の事を友達だって言ってくれたのに。また失うなんて。早く仲直りしなきゃ私はまた…。
昼休憩になり他の女の子達と教室を出て行こうとする綾瀬さんに駆け寄り「綾瀬さん…！」と呼び止めた。不思議そうな顔をする綾瀬さんと、私を睨む周りの女の子達。
怖い、けど…ビビるな私。
「……あの、ちょっと話が」
「Aちゃん……うん、いいよ」
「場所を変えよっか」と笑顔を向けてくれる綾瀬さんにホッと安心する。他の女の子達が睨む中、私は綾瀬さんに連れられ人気のない場所に2人で向かった。
周りには誰もいない、ちゃんと綾瀬さんと真正面から向き合える絶好のチャンス。
「綾瀬さん、昨日のこと…ごめんなさい。焦凍が怒ってたのは私のせいで、でも私は本気で綾瀬さんを応援したかった！」
「うん、それで？」
「っ……焦凍には私何も言ってない。利用されてるとか、そういう事。誤解だよ。だから私…綾瀬さんと仲直りがしたくて」
「うん、分かってるよ」
「え…？」
随分あっさりとした返事に私は驚いて綾瀬さんを見る。綾瀬さんはいつも通りニコニコしていて、でもその顔には影が落ちていく。
なんでこんなにゾッとするんだろう。けど私の誤解にちゃんと気づいてくれた？仲直りできる？
そう思うと心がスッと軽くなり、嬉しくて頬が緩んだ。
「じゃあ私と仲直り…」
「する訳ないじゃん」
「………へ？」
「そもそも、本気で友達だと思ってたの？轟さんって意外と頭悪いんだね」
ドクン…と心臓が嫌な音を立てる。
「あ、やせ…さん？」
「私さあ、先輩のこと本気だったの。ほら、私ってそれなりに可愛いでしょ？だから絶対成功すると思ったのに告白すら聞いてもらえなかった。その上、先輩に私がAちゃんを利用したこと見抜かれるなんて…」
「っ……」
「私の顔に泥を塗ったこと、後悔させてあげる」
綾瀬さんの歪んだ、笑顔。
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クロ - 凄く素敵でした✨私は今まで読んできた轟の夢小説の中で、この作品が一番大好きです!次の作品も楽しみにしています! (11月22日 16時) (
レス) @page47 id: 0a0119112e (このIDを非表示/違反報告)
あやぎり(プロフ) - 妙にリアルな感じがめちゃくちゃ好きです…！主様の文もとても惹かれるもので素敵でした！完結おめでとうございます！次の作品も楽しみにしております♡ (2023年5月2日 20時) (レス) @page47 id: d40ddaf348 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 次の作品を楽しみにして待っています…！ (2022年5月14日 21時) (レス) id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 私の中では兄弟恋愛がなかなか受け入れられないものなので普段は見ようとしないし、何なら兄弟恋愛かもって思った時点で見るのをやめようかと思いましたが、この作品はこれでおしまいじゃなくて続きを読んでみたいと思うほど面白かったです。 (2022年5月14日 21時) (レス) @page47 id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
るう - いぢめてたモブ達への復習ナシは流石に胸糞が残る (2021年9月7日 23時) (レス) id: 63584da8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月19日 23時
