第６５話 ページ23
第６５話
「ああ〜、もうちょっとだったのにぃ！」
「惜しかったね綾瀬さん」
ゲームセンターのUFOキャッチャーで悔しそうにぬいぐるみを見る綾瀬さんに、私も苦笑いをした。あれからいじめはパタリとやみ綾瀬さんは「一緒に帰ろ？」と私を誘ってくれたのだ。
正直、まだ友達とは言えないかもしれない。でもちゃんと誠実に私に歩み寄ってくれようとする綾瀬さんに少しずつ警戒心も薄れてきた。
「次はボーリングとか行こうよ！」
「え、でも今日はもう遅いし…」
「もうちょっとだけ！折角Aちゃんが一緒に帰ってくれたんだから、もう少し一緒に遊びたいの」
誘ってくれれば何時でも一緒に帰るのに。でもシュンとする綾瀬さんが可愛くて、思わず「じゃあ…もう少し」と私も妥協してしまった。
やっぱり綾瀬さんって女の私から見ても可愛い。それに、放課後にクラスの子と一緒に帰って遊ぶなんて初めてだ。なんていうか、楽しいな。
綾瀬さんが行きつけだというボーリング場へ行くと、思ったよりも…なんて言うか寂れたところだった。人気がないっていうか、ちょっと別世界みたいな。あんまり好きになれない雰囲気だ。
「Aちゃん、こっちこっち」
「え…ボーリングするんじゃないの？」
「向こうの部屋に私の友達がいるの」
綾瀬さんが私の手を引いてボーリング場の奥にある部屋へ連れていかれた。重く錆び付いた扉を開けると、ギィィと嫌な音がする。
部屋の中には大学生らしき男の人達が数人いて、煙草の煙が充満して煙たい。ガヤガヤと騒ぎながらお酒を飲んでる。
綾瀬さん、こんな人達と知り合いなんだ。なんかちょっと怖いなぁ…。
「みんな〜、連れてきたよ！」
「え…？」
綾瀬さんが明るく大学生らしき人達に私の腕を引っ張りながら声をかけると、皆がいっせいに私の方を向き「それが噂のウザイ子？」と言った。
ドクン、ドクンと心臓が嫌な音を立てる。恐る恐る綾瀬さんの方を見ると「ふふっ、ばぁか」と腹黒い笑みを浮かべた。
ダメだ…嫌な予感しかしない。早く逃げなきゃ、早く逃げなきゃ。
そう思いドアに駆け寄り開けようとするが、鍵がかかってるのか開かない。嫌だッ、なんで！？
「ほら、お嬢ちゃんはこっちこっち」
「いやっ…離して！誰か助けて！！」
男の人に腕を掴まれ咄嗟に振り払い助けを呼ぶが「ここにお前の味方はいねぇよ」と体を押さえつけられる。
「あ、綾瀬さん…なんで」
．
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クロ - 凄く素敵でした✨私は今まで読んできた轟の夢小説の中で、この作品が一番大好きです!次の作品も楽しみにしています! (11月22日 16時) (
レス) @page47 id: 0a0119112e (このIDを非表示/違反報告)
あやぎり(プロフ) - 妙にリアルな感じがめちゃくちゃ好きです…！主様の文もとても惹かれるもので素敵でした！完結おめでとうございます！次の作品も楽しみにしております♡ (2023年5月2日 20時) (レス) @page47 id: d40ddaf348 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 次の作品を楽しみにして待っています…！ (2022年5月14日 21時) (レス) id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 私の中では兄弟恋愛がなかなか受け入れられないものなので普段は見ようとしないし、何なら兄弟恋愛かもって思った時点で見るのをやめようかと思いましたが、この作品はこれでおしまいじゃなくて続きを読んでみたいと思うほど面白かったです。 (2022年5月14日 21時) (レス) @page47 id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
るう - いぢめてたモブ達への復習ナシは流石に胸糞が残る (2021年9月7日 23時) (レス) id: 63584da8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月19日 23時
