第４２話 ページ44
第４２話
「……今回は全部お前のせいだからな」
そう言って焦凍が私の腕を掴む。「離して！」と抵抗する私は力ずくで引っ張られ、腕が千切れそうなくらい痛い。
「何するの…！」
「お前が間違いに気づくまで俺の部屋で教えてやる」
「いやっ…やめて！」
「お前に拒否権ねぇだろ、自分のした事忘れたのか」
「忘れてない！私が悪い事したのは謝るよ、でも友達のことに関しては間違ってない！」
「間違ってんだろ。俺がお前の事で間違ったことあるのか」
「ないっ……けど、自分の考えを押し付けるのはエゴイストだって言ったよね！？」
「っ………」
「離して…！」
「黙れ」
「離せ！！！」
叫び声と同時に私の体が火を放つ。感情が高ぶりすぎて個性を出してしまった。焦凍が「熱ッ…！」と反射的に手を離し、私も必死に個性を抑える。
だめ、こんなやり方よくない。力で解決しようとすれば私も同じになってしまう…！
「っ、お前……俺に個性を」
「今のはわざとじゃ…」
「いい加減にしろ！！」
焦凍が怒鳴り声を上げ私の胸倉を掴む。苦しくて顔を歪める私に、焦凍は怒りの視線を向けた。
その額には血管が浮かんでいて、今までで一番怒っているのが良く分かる。
「お前の我儘に俺を利用して、騙して、俺の意見を否定して、挙句の果てには俺に個性を使うのか…！」
「騙したのも利用したのも個性出したゃったのもごめん！でも否定はする！！全部が全部、焦凍が正しい訳じゃない！」
「それが間違ってるって言ってんだろ！あんな友達ごっこの為に…」
「ごっこじゃない！なんで分からないの…！？」
「お前こそ何で分からねぇんだ！いいから黙って俺の言うこと聞け！！」
言うこと、聞け？
それが焦凍の本音なの？
私の気持ちはどうでもいいの？
そうやって、私に焦凍の考えを押しつけるの？
「………焦凍は、やっぱりお父さんと同じだ」
「っ…お前はまたそう言う事を！」
「私、焦凍のそういう所……嫌いだよ」
「はっ…？」
「焦凍は私の気持ちなんて分からない。私も焦凍の気持ちが分からない。もう、それでいいでしょ」
私が俯きながらそう言うと焦凍はグッと歯を食いしばり、乱暴に胸倉を離した。
「ならもう勝手にしろ…！」
分かり合えない。
そう、確信した瞬間だった。
〜 To be continued 〜
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冬桜 - 読んでて自分まで胸がｷﾞｭｯてなったりしてすごく面白かった？です！！ (2021年8月6日 23時) (
レス) id: 4ef8003614 (このIDを非表示/違反報告)
黒目。(プロフ) - 小説も絵もめっちゃ好きです！！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 5a29d39680 (このIDを非表示/違反報告)
ひまり(プロフ) - ごめんなさい！随分前の作品みたいですけどスッゴく大好きになりました！このまま読み進めようと思います！挿し絵も大好きです！ (2019年8月15日 18時) (レス) id: a4cdcf90f4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠斗 - とどろっちゃん！！！！好きだぁ！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: 223f7ad38f (このIDを非表示/違反報告)
いう - 頑張ってください。 (2018年11月11日 22時) (レス) id: 170f7a55c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月14日 17時
