第４０話 ページ42
第４０話
やべぇ、ちょっと遅くなったな。最後の担任の話とか校長に呼び出されたりとか、変に時間食った。
Aは、ちゃんと待ってるのか？
卒業式が終わり俺はAに呼び出された校舎裏に向かった。すると見慣れた赤い髪のAが見えて「A…」と声をかけるとAが振り向く。
ちゃんと待っててくれた。少し安心しながら近寄ると、Aの後から知らない生徒が顔を出す。よく見ると奥の方にも知らない女子生徒が複数隠れて見てる。
これは、どういう状況だ？
「あの、焦凍…これは」
「Aちゃん、後は自分でやるから帰ってもいいよ。友達の頼み聞いてくれてありがとう」
「綾瀬さん……う、うん」
Aは一瞬俺の方を見て、申し訳なさそうな顔をしどこかに行ってしまった。この状況、この空気、俺も流石に馬鹿じゃない。
体の底からドス黒いものがふつふつと湧き上がる。
「あの、轟先輩！」
目の前の知らない生徒が頬を赤らめ、比較的に大きな目で俺を見た。分かってる、今は目の前の事に集中しなきゃいけねぇことは。
相手にとっては大事な事なんだ、集中しろ。
「先輩を呼んだのは私で…」
ダメだ、集中しろ。
……集中しなきゃいけねぇのに。
「実は、ずっと言いたい事があって…」
全然、集中出来ねぇ。
Aの顔がチラついて、イライラして。
「………悪ぃ」
自分でも驚くほど低く冷たい声が出る。多分、前に吉野に対して言った時と同じくらい。相手も俺の異様な雰囲気に固まった。
「早めに済ませてくれ」
本当に悪ぃと思うけど、やっぱり今は目の前のことに集中出来ねぇ。
なんでAは約束を破ったんだ。なんで、俺の約束を破っといてあんな嬉しそうな顔出来たんだ。
「イラついてんだ」
「ひっ…！！」
「………あと、あんま俺の妹を利用するな」
女子生徒は顔を真っ青にし悲鳴を上げると逃げていった。本当に今の奴には悪ぃことしたと思う。
それでも、抑えきれなかった。
この内側から湧き上がる
怒りには。
なんで、Aは…
Aは
俺を騙したのか？
．
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冬桜 - 読んでて自分まで胸がｷﾞｭｯてなったりしてすごく面白かった？です！！ (2021年8月6日 23時) (
レス) id: 4ef8003614 (このIDを非表示/違反報告)
黒目。(プロフ) - 小説も絵もめっちゃ好きです！！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 5a29d39680 (このIDを非表示/違反報告)
ひまり(プロフ) - ごめんなさい！随分前の作品みたいですけどスッゴく大好きになりました！このまま読み進めようと思います！挿し絵も大好きです！ (2019年8月15日 18時) (レス) id: a4cdcf90f4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠斗 - とどろっちゃん！！！！好きだぁ！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: 223f7ad38f (このIDを非表示/違反報告)
いう - 頑張ってください。 (2018年11月11日 22時) (レス) id: 170f7a55c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月14日 17時
