第３８話 ページ40
第３８話
「妹の轟さんが呼んだ方が確実でしょ！？」
そんなにいっぱい入ってたのか。確かに、焦凍も今日一日で全部を相手に出来ないだろうな。多すぎて逆にひとつも相手にしないとかもありうる。女子達もそう思ったんだろう。だから私が呼べ…ってことなのか。
どうする、どうしよう私。
「あの、轟さん…」
「……綾瀬さん」
「私本気なの、だから一生のお願い」
「っ………」
「だって私達、友達でしょ？」
綾瀬さんの大きく潤んだ瞳が私を捕らえる。殆ど話した事がないのに、いつから友達になってたんだろう。
「え、あの…友達って」
「友達だよ！私なんかのために頑張ってくれる人を友達以外になんて言うの？だから、私達はもう立派な友達だよ」
私の目がゆっくり見開かれる。
綾瀬さんは私が受ける前提で離してるけど、それでも私のこと友達って言ってくれた。殆ど話した事ないのに、私なんかのことを…。
そっか、友達なら私は頑張らないといけないんだよね。ずっと欲しかったもの、かけて欲しかった言葉を、綾瀬さんがくれた。
「あ、綾瀬さんっ……私やってみるよ！」
「ほんと！？ありがとう、轟さんって優しい子なんだね！名前で呼んでもいいかな？」
「名前……も、もちろん！」
綾瀬さんが喜び他の女子達も「よかったね！」「流石轟さんだね」と笑いかけてくれる。皆がワイワイとする中、私は心が満たされていく気がした。
こんな感覚初めてだ。皆が私に笑いかけてくれて友達だと言ってくれて、頼ってくれてる。信頼してくれてる。
焦凍、ごめん。
私、約束守れない。
でもなんて言って焦凍を呼び出そう。前みたいにクラスの子が呼んでるって言い方じゃ、きっと焦凍は来ない。……なんて言えば。
考えて、私はハッとする。
あの方法なら、焦凍は来てくれるだろうか。でも他に方法が思いつかない。これしかない、よね。
焦凍には、全部終わったらちゃんと謝ろう。
この間だって大喧嘩したけど、お互い謝って仲直り出来たんだから。きっと今回も、ちゃんと誠意を持って謝れば焦凍は分かってくれる。
友達が出来たって事も伝えたい。
焦凍、私にも友達出来たよ。
私にも…出来たんだよ。
．
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冬桜 - 読んでて自分まで胸がｷﾞｭｯてなったりしてすごく面白かった？です！！ (2021年8月6日 23時) (
レス) id: 4ef8003614 (このIDを非表示/違反報告)
黒目。(プロフ) - 小説も絵もめっちゃ好きです！！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 5a29d39680 (このIDを非表示/違反報告)
ひまり(プロフ) - ごめんなさい！随分前の作品みたいですけどスッゴく大好きになりました！このまま読み進めようと思います！挿し絵も大好きです！ (2019年8月15日 18時) (レス) id: a4cdcf90f4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠斗 - とどろっちゃん！！！！好きだぁ！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: 223f7ad38f (このIDを非表示/違反報告)
いう - 頑張ってください。 (2018年11月11日 22時) (レス) id: 170f7a55c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月14日 17時
