第３話 ページ5
第３話
部屋に戻って布団に寝転びながら、俺は重く深い溜息を吐き出した。さっきアイツの胸倉を掴んだ手をじっと見つめ、また少し怒りがこみ上げる。
なんでアイツは俺を怒らせるような事ばかり…。
俺には、身近に嫌いな奴が２人いた。
１人は父親、もう１人は実の妹だ。
Aは自分が親父に興味を持たれてないと分かっていながら、昔から親父にベッタリだった。逆にお母さんにはあまり懐いてなかったと思う。
いつもクソ親父に稽古を付けてくれと言ってるみてぇだけど、俺は知ってる。アイツは別にヒーローになりたい訳じゃねぇってこと。
なのに何でヒーローを目指してるのか分からねぇ。
どうせ親父に構って欲しいだけだろ。あんなクソ親父のどこがいいのか、俺には理解出来ねぇけど。
『お前じゃ、ヒーローにはなれねぇよ』
自分で言った言葉を思い出す。正直あの時は、カッとなって言い過ぎた。流石に傷付いた顔してたな。
ヒーローになる必要はない、って言い方にしとけばよかった。
クソ親父に構ってほしいだけなら、別にヒーローなんて目指さなくていい。わざわざ親父に構って貰うためだけに憧れてもいない職業を目指すなんて、馬鹿げてるだろ。
「………ああくそ、まただ」
また、アイツのことばかり。
クソ親父かAのことばかり考えてしまう。俺はクソ親父が憎い、だから考えてしまうのは分かる。ならAのことは…。
やっぱり、それほど俺はアイツが嫌いって事なんだろう。いつもいつも、見ててイライラする。
クソ親父にベッタリな所も、俺の前じゃまともに笑いもしねぇ所も、全部が見ててイラつく。
そのせいか、昔からAの事を妹として見れなくなっていた。ただただ腹が立つ奴、実の妹に対して酷いのかもしれねぇけど…今の俺にはそれしか分からない。
この時の俺は、誰かを憎むという感情以外
他に何も知らなかった。
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冬桜 - 読んでて自分まで胸がｷﾞｭｯてなったりしてすごく面白かった？です！！ (2021年8月6日 23時) (
レス) id: 4ef8003614 (このIDを非表示/違反報告)
黒目。(プロフ) - 小説も絵もめっちゃ好きです！！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 5a29d39680 (このIDを非表示/違反報告)
ひまり(プロフ) - ごめんなさい！随分前の作品みたいですけどスッゴく大好きになりました！このまま読み進めようと思います！挿し絵も大好きです！ (2019年8月15日 18時) (レス) id: a4cdcf90f4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠斗 - とどろっちゃん！！！！好きだぁ！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: 223f7ad38f (このIDを非表示/違反報告)
いう - 頑張ってください。 (2018年11月11日 22時) (レス) id: 170f7a55c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月14日 17時
