第２６話 ページ28
第２６話
学校が終わってスグに家に帰り自分の部屋に向かう。もうすぐ3月になるからか、昼間は少しポカポカしてきたな。
といっても日が沈めばまだ寒いけど。
いつも焦凍がトレーニングの場として使ってる中庭の方へ行くと、何となく縁側に座った。やっぱりここは日差しを全身に受けられてポカポカする。
今度の週末とか、昼間にここでお茶を飲みながらゆっくり過ごそうかな。なんて思いながら鞄を枕替わりにして寝転んだ。
焦凍が帰ってきたらここには居られないし、今のうちにこのポカポカした感じを謳歌しとこう。
「ふぁぁ…」
．
．
道に迷っていると、目の前にタキシードを着た可愛い猫が二足歩行で『こっちだよ』と手招きしている。猫に言われるがままついて行き、大きな扉を開けると…そこに広がるのはキラキラした部屋。
真っ白なテーブルには豪華な食事がズラリと並んでいて、気がつけば私はフワフワの綺麗なドレスに着替えている。
『おいでおいで』と猫に言われ椅子に座ると、部屋の奥からピシッと服を着た色んな動物達が楽器を持って現れた。そんな動物達が奏でる楽しそうなワルツを聞きながら、どれから食べようかと迷う。
その時、フワッと暖かい物が私の頬を撫でる。何だろうと思えばさっきの猫が肩に乗っていて『美味しいスイーツもあるよ』と教えてくれた。
頬に触れる猫の体温、温かいなぁ。
そう思うのに、猫はスグに私の肩からおりてしまい残念だ。また寒くなっちゃった。でも今はこの豪華な食事が食べたい。『いただきます！』と手を合わせフォークとナイフを手に取る。
やっぱり先ずはお肉から…
．
．
「…………ん」
頭がぼんやりする。
そう思いながらゆっくり私は目を開けた。
「………え？」
「っ………」
いつの間にか寝ていたらしく、私が目を覚ましたら視界いっぱいに焦凍の驚いた顔があった。待って驚きたいのは私の方なんだけど…。
数秒、お互い目をそらす事が出来ず固まる。私と同じエメラルドの左目が、少し不思議な輝きを持っているように見えた。左半分にある火傷の跡はやっぱり痛々しい。
結局先に目を逸らしたのは焦凍の方で、バッと私から離れて「悪ぃ…」と何故か謝った。
なに、今の空気。
．
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冬桜 - 読んでて自分まで胸がｷﾞｭｯてなったりしてすごく面白かった？です！！ (2021年8月6日 23時) (
レス) id: 4ef8003614 (このIDを非表示/違反報告)
黒目。(プロフ) - 小説も絵もめっちゃ好きです！！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 5a29d39680 (このIDを非表示/違反報告)
ひまり(プロフ) - ごめんなさい！随分前の作品みたいですけどスッゴく大好きになりました！このまま読み進めようと思います！挿し絵も大好きです！ (2019年8月15日 18時) (レス) id: a4cdcf90f4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠斗 - とどろっちゃん！！！！好きだぁ！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: 223f7ad38f (このIDを非表示/違反報告)
いう - 頑張ってください。 (2018年11月11日 22時) (レス) id: 170f7a55c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月14日 17時
