第１６話 ページ19
第１６話
「ってことでA…こいつは緑谷、前に話に出てきた俺の知り合いだ」
「え、あ……はじめまして」
「はじめまして、緑谷出久です」
そう言ってニッコリと微笑む緑谷さんに、私は戸惑いながら頭を下げる。
週末、私は焦凍さんに『お前に会わせてぇ奴がいる』と言って私をファミレスに連れ出した。紹介されたのは緑谷さんという人で、なんだかモサモサしてて温厚そうな人。
仲がいいらしいけど、この２人って凄い真反対だからどうやって仲良くなったんだろう…と少し気になった。聞かないけど。
「……あの、焦凍さん。なんで私に緑谷さんと会わせようと思ったんですか？」
「それは、人と関わることに慣れて欲しいからだ」
「慣れる…？」
「そういうのしてこなかったんだろ。でもそれじゃあいつまで経ってもお前は人を頼る術を知れねぇ。だから先ずは人と正面向いて関われるようになれ」
そういう、事か。
私を『助けたい』と言った彼は、色々考えてくれてるんだろう。どうすれば私が変われるか。
でも、私には…
「難しい、です。私と関われば相手を狂わせてしまうかもしれないのに…それを分かってて関わるなんて」
「だから緑谷にしたんだ」
「え…？」
私がキョトンとしていると、焦凍さんは緑谷さんを指差す。緑谷さんも苦笑いをしながら私を見た。
「緑谷は俺の知ってる中でもずば抜けて正義感の強い奴だからな。正直、正義感が強過ぎるから見てて危なっかしいほど」
「……轟くん、それ褒めてるの？」
「半分褒めてるけど半分褒めてねぇ。緑谷、お前この間も人を助けるために無茶して大怪我したって聞いたぞ。他人ばっかじゃなく少しは自分の身の安全も考えろ」
「あはは…」
「またそうやって笑って誤魔化すな」
焦凍さんに説教をされる緑谷さんは「なんか、すみません」と俯いた。正義感の強い焦凍さんがこんな風に言うほど、緑谷さんは正義感の強い人なのか。
焦凍さんも充分正義感が強いと思うけど、上には上がいるってやつだ。
「……A、緑谷が相手なら多分個性もかなり効きにくいと思う。だから安心して大丈夫だ」
「は、はい…」
「よろしくね、Aちゃん」
「あ…こちらこそ、よろしくお願いします」
その時、ブーッと焦凍さんの携帯が震える。
彼は携帯を手に取り「もしもし？」と電話に出ると数回相槌をうって直ぐに電話を切った。
．
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なんだよたけしビビってんのか(プロフ) - 全作品絵が本当に美しくて初めて絵で感動しました。また伏線が所々あってその上感動するなんて天才... (2021年5月23日 2時) (
レス) id: dfdea40777 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - タイトルの絵もなんかアニメ「ＰＳＹＣＨＯ-PATH」に絵柄が似てて感動。しかも、物語にもなんか感動した。 (2019年9月14日 0時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 終わり方最高です……！泣いた (2019年4月13日 21時) (レス) id: 4ab93c79dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾌｧｱｱｱｱ(プロフ) - 絵がちょくちょく入ってくることによりなんか映画のワンシーンでも見ている気になりますね (2018年9月8日 15時) (レス) id: 01f6b2b9ab (このIDを非表示/違反報告)
トミ - すごく吸い込まれるようなお話で…次を読むのが楽しいです。 (2018年6月30日 23時) (レス) id: 3237980cf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月29日 17時
