第６７話 ページ27
第６７話
私は何でこんな所に居るんだろう。
横に立つ緑谷さんを見ると、同じ事を思ったのか苦笑いをされる。広々としたスタジオではスタッフさん達が忙しそうに走り回っていた。
遡ること30分前。
街で焦凍さんに声をかけてきた男性は、某有名雑誌のプロデューサーだったらしく、しかも焦凍さんの事務所のスポンサー。
そしてどうやら雑誌モデルの一人が急病で来られなくなったらしく、これ以上撮影が遅れれば来月号の雑誌が間に合わないんだとか。そこで、前々からモデルにしたいと思っていた焦凍さんを街で見かけ声をかけたらしい。
焦凍さんはモデルとか苦手だから今まで他の雑誌のモデル依頼は断っていたそうだが、スポンサーとしてお世話になっている所だから無下には扱えない。
大人の社会の話だな…なんて悠長に考えていたら焦凍さんは『でも、いま家族と居るんで。未成年だし一人で帰らせる訳には…』と言うと男性は『ならそっちの二人は見学においで！』と言われ今に至る。
「焦凍さん…モデルって凄いですね」
「轟くん、見た目もカッコイイからね」
「なんていうか、私、場違いな気が」
「……大丈夫。僕も同じこと思ってるよ」
緑谷さんと２人でそんな事を話していると「ショートさん入りまーす！」とスタッフさんの叫び声がする。そして、準備を終えた焦凍さんがスタジオに入ってきた。
スーツをピシッと着こなして髪も赤い方を耳にかけてセットして、少しだけメイクもしている。普段から大人っぽい人だけど…また一段と大人っぽい。
本物のモデル顔負けのオーラがあるし、私は今まであんな人と一緒に暮らしていたのか。なんて思ってしまう。
「じゃあショートさん、撮りますね〜」
焦凍さんはモデルなんて苦手だと言っていたけど、凄い様になってる。ああでも、カメラが回っていない間は『なんで俺が…』って顔してるな。
明らかに苦手意識が顔に出て眉間にシワが寄ってるのに、それさえもカメラマンは「おっ、今回のコンセプトはシックな感じだから…その表情もいいね！」と利用されていた。
「ねえあなた、ショートのご家族の方よね」
「え…？」
横から女性スタッフに声をかけられ首を傾げると、気の良さそうな女性スタッフがニコニコとしながら私を見る。
「暇だったら少し遊んでいく？」
「あ、の…遊ぶって」
「女の子なら、お洒落して遊びましょってこと」
そう言ってウィンクをする彼女に
私はキョトンとするしかなかった。
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風鈴 - 誤字ってますが気にしないでください。「いままだ」になってますが正しくは「いままで」です！すいません。 (2021年11月27日 23時) (
レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴 - めっちゃ好きです！イラストもとても好きです!!何時もつづきをわくわくしながら見させてもらってます。あと、他の作者様に失礼なのですが、いままだ見て来た小説でこの作品がいちばん好きです。勿論他の方の作品も大好きです！長文失礼しました。 (2021年11月27日 23時) (レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
花 - シリアスの中にも"愛"が詰まってる感じで良き (2021年5月19日 20時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ひめたん - 好み過ぎる (2018年9月5日 23時) (レス) id: 6ef00c8f07 (このIDを非表示/違反報告)
ららら(プロフ) - 絵が、！！！すごい好みです！！！漫画書いてほしいくらいです、、笑頑張ってください！！ (2018年6月18日 17時) (レス) id: 67811c0872 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年6月3日 18時
