にじゅうきゅう ページ30
「3年の網張A。ポジションはウィングスパイカーで、2年前のちょうど今頃かな、膝を故障してからずっと休んでたけど、このバレー部に戻ることに決めた。お前たちと勝つために、もう一度ここで戦う。よろしく」
Aのことを知らない部員たちもいるため、改めて行われたAの自己紹介。
膝を故障した3年がいるというのは何度も話題になっていたからか、納得したような表情を浮かべる部員もいた。
Aのことをよく知っている3年や北川第一の卒業生たちは感情を抑えきれずニヤニヤとしている。
そんな新体制として始まった青葉城西バレー部は、Aの周りに常に誰かがいて、何とも和やかな空気が流れていた。
「で？」
「ん？」
「コソコソ及川と岩泉の2人に囲われながら練習してたのはわかったけど、なんでまた突然部活に顔出すことにしたんだ？」
隣でスポーツドリンクを飲んでいた花巻がそう聞けば、Aは あぁ、と小さくこぼして苦笑いを浮かべた。
それからきょろきょろと周りを見回して及川が近くにいないことを確認すると、口元に手を寄せて内緒話をするように花巻へ近寄った。
「決勝、見に行ったんだ。その時の牛島の最後のスパイクで、ピンと来た」
「…なるほどな」
「へーぇ、よりにもよってウシワカちゃんか」
Aから聞かされた名前に納得した花巻が苦笑いをしたその背後から、不機嫌なのを隠す気がない声が割り込んでくる。
慌てて花巻が振り向けば、ムスッとしながらAを見つめる及川がいた。
ウシワカへの対抗心とAへの執着心は健在だな、と花巻は心の内で呟きながら、及川をAに押し付けるようにして立ち去っていく。
面倒ごとは避けるが吉。
松川にでも教えてやろう、なんて思いながらその場を離れれば、花巻がいた場所からAの潰れる声がする。
恐る恐る振り返れば、及川は自分のものだと主張するようにAの首元に腕を回して背後からもたれかかっていて、Aは死んだ魚のような目をしながらコート内で練習に励む部員たちを見守っていた。
そんな彼らを見ていたのは花巻だけではなく、少し離れた場所から溝口と入畑も見ていた。
「及川のあの過保護っぷりじゃ、網張の完全復活までは時間がかかりそうですねぇ」
「…いや、この場にこうして出てきたのだから何かあるんだろう。
あの網張のことだ、心配はいらないと思うが念の為オーバーワークにだけは気をつけてやってくれ」
「！…わかりました」
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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー！ありがとうございます！直しときます！！！ (2023年4月28日 17時) (
レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね！ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (2023年4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと！？ありがとうございます！！今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ！！！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ありがとうございます！！！！！！！！！！！！！！ (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2021年5月21日 18時
