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さんじゅうさん ページ34

そうして迎えた合宿当日。

練習着に着替えたAは、すぐ近くにある体育館へと向かっていた。
まだ集合時間まではかなり時間がある。
軽く柔軟体操でもしておこうかと歩いていたAの後ろから、駆け足で近寄ってくるひとつの人影。



「網張さん!」



背後から飛んできた自分の名を呼ぶその声に、Aは弾かれたように振り返る。
まさかこんな早く会うことになるとは思っておらず、驚いてしまった。
しかしそんなAの様子など気にしていないのであろう後輩、影山飛雄が駆け寄ってきていた。



「影山…」
「バレー、できるようになったんですね」



Aが持っているシューズとサポーターを見て、影山は嬉しそうに詰め寄ってくる。
ただAがバレーをしているという事実だけを喜んでくれているのが伝わってきて、Aは肩の力を抜いてしっかりと影山に向き合った。
目の前に立つこの後輩のおかげで、自分は今ここに立てている。
Aは感謝の気持ちを込めて影山に笑いかけた。



「ん、お前がきっかけだったって及川から聞いた。ありがとう」
「?なんかしましたっけ」
「…はははっ!そーか、お前にとっちゃ当然のことか」



バレー馬鹿といいたくなるほどバレー一筋なのは相変わらずのようで、Aからのお礼の言葉の理由が本気でわからないらしい。
過去の記憶をひねり出そうと首を傾げるも何も出てこないのか、影山はもう一度訊ねてくる。



「いいや、なんでもないよ」
「あれ、飛雄ちゃんじゃん、なんでまたAと2人っきりで話してんのさ!」



あの時はお前のおかげでAを取り戻せたよ!ありがとう!でもそれとこれは話が別!と、突然現れたかと思えば影山に牙を剥く及川に、影山は迷惑そうな顔をする。

全く身に覚えのない事で礼を言われるのも意味がわからないのに、なぜ敵対心を向けられなければならないのか。と視線で訴えてくる。
そんな影山の視線が気に入らなかったのだろう。
及川はAの手を引いて歩き出す。



「でも!敵に塩を送ったことは後悔するんだな!」



まるで悪役のような口ぶりで影山に指をさす。
そんな及川の行動に驚いている影山を置いて、Aの手を引く及川は体育館へと歩き出した。
Aはその後をついていきつつ、影山に またあとで、と声をかける。
Aにむけてぺこりと頭を下げた影山は、2人の姿が見えなくなると同時に再び首を傾げた。



「…青城に塩って、何に使うんだ?そもそも送ってねぇ………」

さんじゅうよん→←さんじゅうに



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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー!ありがとうございます!直しときます!!! (2023年4月28日 17時) (レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね!ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (2023年4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと!?ありがとうございます!!今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ!!! (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!! (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2021年5月21日 18時

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