にじゅういち ページ22
重たい音を立てながら、体育館の扉が開かれる。
そこからひょこりと顔を覗かせたのは練習着に身を包んだAだった。
しかし体育館の中にはほとんど人がおらず、2人分の人影しか無い。
Aはそのたった2人の人影を見つけると、ぱっと嬉しそうな笑顔を見せながら駆け寄っていく。
「及川！岩泉！」
Aに背を向けるように立っていた2人がAの声に反応して振り返ると、安心したように笑顔を見せ、Aを迎えた。
あれからAはバレーへ再び向き合うことを決めたものの、部活に参加することはしなかった。
いざバレー部へ戻ったとしても、Aのトラウマが払拭し切れるまではただチームの時間を食ってしまうだけだというA本人の主張によってバレー部の練習を終えた体育館にAが顔を出すことになった。
及川としてもAが再びバレーをすると決めたことをバレー部員たちにいち早く伝えてしまいたかったが、伝えるだけだったとしても在学中にトラウマを克服しきれなかった際に部員たちへ必要のない期待だけをさせて終わらせてしまうことになるため今は及川と岩泉の2人だけで留めることになっているのだ。
そして今日が、その居残り練の初日だった。
「よかった、来てくれて」
参加する、と頷いたのはA本人だったが、実際その場に来てくれるかどうかはどうしても及川にとって不安の種として残っていた。
この場所に来るまでのどこかでトラウマがAのことを襲ったら？
A自身の心が変わってしまったら？
そう思うと、いても立っても居られなくなってAを迎えに行こうとしては岩泉に止められる、を何度も繰り返していたのだ。
及川は小さく安堵のため息をついた後、手に持っていたボールを差し出す。
まずはボールに触れることからだ。
「ほーら！ボールは友達！怖くないよ〜！！」
「サッカーか！！！！」
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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー！ありがとうございます！直しときます！！！ (2023年4月28日 17時) (
レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね！ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (2023年4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと！？ありがとうございます！！今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ！！！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ありがとうございます！！！！！！！！！！！！！！ (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2021年5月21日 18時
