唐変木が浮気してたのでモブ人生を謳歌することにした【文スト】

誘拐？ ページ21

さみしい

私は今、とてつもなくさみしい

どうした良いものか……



はぁ、とため息をついて公園のベンチで背を丸くした

公園と言ってもマンションの下にある小さな公園

ベンチはひとつしかなく、そこで背を丸めていれば異様だろう



遊具で遊ぶ子供達はとても楽しそうなのに

どうして私はこんなにさみしいんやろ



“私だけこの世界から切り離されたん？”

こう思うことが最近増えた



坂口さんには敦くん探しはもう大丈夫と言われ、

スーパーで仲良かった人もやめてしまったのか姿を消し、

すれ違って歩く人達も私はいないように思われている気がする



気にしすぎ、と一括されれば終わりやけど私も異能力を持ち、異能力者だらけの職場だったから少しは敏感になってる



こんな深く悩んでいたから私は気づかなかったのだろうか

隣に座った人の事を


「よォ」


……え、

……えっとぉ

何でなん？


「…………よォ？」


よォで挨拶されたらよォで返すよね？

この理論間違えてないよね!?


「っ……ハハハハハハ!!凄いなお前。こんな返しする奴なかなかいねぇわ」


ドツボにハマられた



……きれーな顔してるわ

さすが、ポートマフィア五大幹部様

なんでまた会うのかな？


「あの、そんなに笑わないでください」


「ひっははは……あぁ、久しぶりにこんなに笑ったわ」


いや、あなたなら戦闘中ずっと笑ってそう

そんな描写1回もなかったけど


「どうされたんですか？」


「……いや、特に理由ない。たまたま来た公園にたまたま手前ェが居ただけだ」


「はぁ、よくそんなたまたまが……盆暮れ正月全部来ましたね」


「あァ、こんなたまたま殆どないだろ？」



はい。ないと思います



「……たまたま、何でしょうか？」


「……ﾊｯどういう事だ？」


「どうせ、私の事ご存知なんでしょう？あの洋食屋さんカメラありましたから、そこから名前割り出して、職場やらなんやらを調べてきたんじゃないですか？」


「へェ、スゲェな。そんなとこまで分かる異能なのか？」



……逃げたい

本能的に逃げたい



殺気というのだろうか、息がしにくくなってきた気がする

殺されるのか？死ぬのか？

また？……


「ご要件をどうぞ、五大幹部中原中也様」


……夢だったじゃないか

中也の重力に押しつぶされて死ぬのは

前の私の絶対に叶わない夢じゃないか


「……ついてこい。話がある。抵抗すんなら容赦しねェ」


「かしこまりました。幹部殿」


無事、フラグ回収

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