イキシア (ページ7)

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久堂「…で、彼女に合いそうな品はあるか？」

女主人〈そうですわねぇ。あちらのお嬢様には淡い色のものがお似合いになると思いますよ〉

久堂「では、そのような品でいくつか仕立ててくれ。」

女主人〈かしこまりました。〉

久堂「次にAの品を見せてくれるか。」

女主人〈はい、今回も上等品を揃えさせていただきました。Aお嬢様は紫や黒、紺など、濃くて締まりのある上品な色がお似合いになりますからねぇ、〉

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何品か並べられた着物を、
私以上に真剣に見比べる清霞様。

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久堂「うん…どれも合いそうだな。」

『！』

久堂「A、どの着物が好みだ。」

『えっ…どれも素敵です。私には勿体無いや、』笑

久堂「ん、これら全て仕立ててくれ。」

女主人〈かしこまりました。〉ﾆｺｯ

『っいや、ちょっと待ってくださいよ、！そんなに着る機会ありませんから…！』

久堂「私と会う時に、着ればいいだろう。」

『っ〜！』

久堂「？？」

女主人〈(あら。)〉

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清霞様の着物も選び終え美世さんの元に戻ると、
私達が戻って来た事にも気づかず、
桜色の着物を見つめていた美世さん。

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久堂「気に入ったのか？」

美世「っ旦那様、Aさん…！」

『綺麗な着物ですね。美世さんに、よく似合いそうです。』

美世「っいえ、あの、これは欲しいとかそういうことではなくて…懐かしかっただけです。母の形見の着物に、よく似ていて…。」

久堂「…そうか。他に気に入ったものは？」

美世「いえ、今のところは間に合っているので…」

久堂「ん。では行こうか。」

女主人〈またのお越しをお待ちしております。〉ﾆｺ

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すずしま屋を後にすると、
清霞様と街に行くと必ず立ち寄る甘味処へ向かった。

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