イキシア (ページ6)

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数日後

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【イメ画】 

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清霞様の隣を歩いても恥ずかしくないよう、
精一杯のお化粧とお洒落をした私は
浮かれすぎていたのかもしれない。

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待ち合わせ場所である呉服屋＂すずしま屋＂の中で
着物を見ながら待っていると、清霞様は現れた。

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美世「Aさん…！お久しぶりです。」ﾍﾟｺｯ

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綺麗な着物に束ねていた髪を下ろし、
化粧を施した美しい美世さんを連れて。

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『、…お久しぶりです、美世さん。』ﾆｺｯ

久堂「待たせたか。」

『いえ、今来たばかりです。』

女主人〈これはこれは、いらっしゃいませ久堂様。〉

久堂「今日は世話になる。」

女主人〈事前にご連絡いただいたお品、何点か選ばせていただきました。奥へどうぞ。〉ﾆｺｯ

美世「、旦那様。私はお店の物を見せていただいて、お待ちしていますので…」

久堂「そうか、気に入った物があれば言え。帰る時に買おう。…A、」

『、はい？』

女主人〈Aお嬢様も奥へどうぞ。久堂様からご連絡いただいて、Aお嬢様のお品も何品か選ばせていただきました。〉

『え、私は…

久堂「ほら、行くぞ。」

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清霞様と共に通された奥の部屋には、
女物の着物と男物の着物が何品も並んでいた。

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女主人〈久堂の坊ちゃんもようやっとですわねぇ。〉

久堂「別に、そういう事ではない。」

女主人〈あら、坊ちゃんがAお嬢様以外に女性を連れて来るなんて、初めてですよ？〉ﾆｺｯ

『、…』

久堂「それと、これとは直結しない。」

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こうして清霞様が婚約者さんと上手くいく事を
誰よりも望んでいた筈なのに。

胸が苦しくて、痛くて。

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心の奥底に閉じ込めていた気持ちが、
美世さんを見る清霞様の横顔を見て溢れ出しそうだった。

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久堂「A。顔色が優れないが…どうかしたか？」

『、いえ。何も。』ﾆｺ

久堂「そうか、ならいい。」

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＂婚約者に、なれたのなら。＂

名家の令嬢ではなく、対異特務小隊の軍人である私が
そのような叶わぬ願いを持ってはいけない。

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