イキシア (ページ3)

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久堂「…で、何故お前も着いてくるんだ。」

『清霞様がまた、＂誤解＂されたまま婚約者さんに逃げられるの…見てられませんよ。』呆

久堂「はぁ…余計なお世話だ。」

『…私は早く、清霞様には愛する人と家庭を持って、幸せになってほしいんです。』

久堂「……、

美世「っおかえりなさいませ…！」

久堂「！」『！』

.

清霞様を玄関で待っていたのだろうか、
正座で私達を迎えた婚約者さん。

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『…良かった、逃げられてませんね。』

久堂「ん"んっ。」

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清霞様は咳払いをすると剣をドサッと置いて
婚約者さんに言葉を返す事なく靴を脱ぎ始める。

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美世「あのっ…今朝方は申し訳ありませんでした。旦那様のお立場であれば、信用できない者の料理を口にできるはずもないと…出過ぎた真似をいたしました。」

久堂「…まるで私が謝罪を強要しているようだが、

美世「っとんでもございません、私がいたらなかったのです。」

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…それにしても、この婚約者さん。
今まで見てきた婚約者の方々とはどこか違う。

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＂名家の令嬢＂というよりも、
＂使用人＂の様な身なりをしている。

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清霞様も同じ様な事を考えているのか、
頭を下げ続ける婚約者さんを難しい表情で見つめていた。

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久堂「…夕食の前に風呂に入る。」

美世「っ申し訳ございません、お湯の準備がまだ

久堂「いい。私以外には無理だ。」

美世「っ…」

『っまあまあ、＂隊長＂。あまり怖い顔しないでくださいよ。』

久堂「…何故そう呼ぶんだ。」

『一応…婚約者さんの前だし？』

久堂「…」

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そう言うと、何やら不服そうな清霞様

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『初めまして。私は隊長と同じく対異特務小隊で救護班に身を置いております、AAと申します。』ﾆｺ

美世「…、斎森美世と申します。」ﾍﾟｺｯ

『…では、美世さん、隊長。私はこれで失礼します。』

久堂「！…泊まっていかないのか。」

『はい、まだ仕事も残ってますから。』

美世「…、」

『…美世さん、＂また＂。』

美世「！…」ﾍﾟｺｯ

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