イキシア (ページ13)

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久堂「後、これを見ろ。」

『これは…家系図？』

久堂「美世の母親は、＂薄刃家＂の出だ。」

『っ…薄刃家って、あの？』

久堂「あぁ。」頷

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＂薄刃家＂の異能は人の心に干渉するもので、
人の記憶を操作する・夢に入り込む・思考を読むなど
それらはまだ危険度は低いが、
＂相手の自我を消し傀儡(かいらい)を作り出す＂
＂幻覚を見せて錯乱させる＂そんな危険な能力すらある。

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薄刃家は自分達の異能の危険さを十分に理解していて、
ゆえにいつからか決して表舞台には立たず
ひっそりと隠れて暮らしているのだとか。

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『美世さんのお母様が斎森に嫁いだのは、極めて例外的ですね。』

久堂「ん…、」

ｺﾝｺﾝｯ

五道「失礼しまー…あれ、お2人して憂鬱そうですね？」

久堂「五道…、

五道「分かってますよ、珍しく…というか初めて長続きしてる婚約者さんの事でしょ？」ﾆﾔ

久堂「五道。明日のこと、分かっているだろうな。」

五道「勿論！明日の昼過ぎに帝都中央駅ですよね、それから車で隊長の自宅へ。」

『？？』

久堂「実は、先日街で美世とゆり江が義母妹に会ってから、美世の元気がなくてな。大方嫌味でも言われたのだろうが…それからは食事は用意されているが、共に食卓を囲む事もなく部屋に篭りっきりで、顔も合わせていない。」

五道「そこで隊長は、美世さんに＂大事な人＂と会って元気になってもらおうと考えたんですよね？」

久堂「ん…明日。美世の唯一の味方だった、使用人を家に呼ぶ。」

『…それは美世さん、絶対元気になりますね！』

久堂「だと、いいのだが。」

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(やっぱり、今までとは違う…正式に婚約、するのかな。)

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そう考えると、上手く笑えているか心配だ。

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