忘れたく、なくなくない。【宮侑】

anotherepisode1 ページ43

A侑くん、




A明日、なんの日か覚えてる?





宮侑明日?なんかあったっけ?





ほんの好奇心で聞いてみたけど、まさか忘れているなんて思ってなかった。







壁に掛かったカレンダーを見ると明日の日付に大きなマルがついている。






“明日は結婚記念日なのに…”







侑くんと夫婦になってから1年が経つ日。




それは私にとってはすごく大きなもので、



同時に





『侑くん忘れちゃったのかなぁ。』





私と侑くんのもつ記念日という価値観の違いを感じてしまった。





Aううん!なんでもないよ。お仕事頑張ってね








3ヶ月前から侑くんに似合うだろうと思って必死に探したペアネックレス。






どうやって渡そうかな、とか





どんな顔するかな、とか





期待を膨らませていたけど








“渡しにくいなぁ……”








そう呟いて引き出しにしまった。

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