忘れたく、なくなくない。【宮侑】 (ページ34)

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episode34 ページ34

バレー部のみんなのドリンクを作る為に、体育館すぐ横の水飲み場に向かった。

“侑くんは濃いめだっけ……”

1ヶ月ぶりのマネージャー業は忙しいけど、楽しい。

それも全部、周りにいるみんなのおかげだ。

｢え、なに、まだマネージャーやってんの？｣

｢辞めたんじゃなかったん？ダル｣

振り返ると、侑くんが呼び出されたというクラスメイト3人がこちらを睨んでいた。

｢ほんま有り得ん。とっととやめろよ｣

｢侑くん粘着されすぎてまじ可哀想｣

昔の私なら、何も言えなかっただろう。

ただ、今は違う。

侑くんが

みんなが

いるから。

『あんたらホントにしょーもないね』

まさか、私が言い返すと思っていなかったのだろう。

3人組は目を丸めて凝視した。

『そんなんだからいつまで経っても侑くんに振り向いて貰えないんでしょ』

｢なっ……｣

そう言って一人の女が私の胸ぐらを掴んだ。

｢みーちゃった。｣