lua e sol (崖っぷちホテル！) (ページ40)

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ーーー翌日。

「じゃあ始めましょうか。」
「はい。水栓は止めてありますし、一応配管に残った水も出したと思います。」
「ありがとうございます！名前さんにお手伝いを頼んで正解でした。」
「え？」
「だってこんなに段取りよく進めて下さって、本当に助かります。それに私が目星をつけていたサーモスタット混合栓は、確かにこの浴室の雰囲気には合っていなかったので。名前さんに選んでもらってよかったです。」

真っすぐに目を見て褒められると、曖昧に謙遜することしかできず、名前は聞き取れないような小さな声で「いや……」や「いえ……」などと繰り返したが、宇海はさして興味が無いようで、早速交換に取り掛かった。
交換の要領は昨日宇海に説明をされたし、簡単に調べてもあったのである程度理解している名前は宇海が作業する隣の部屋の浴室の交換を行うことにした。

水漏れなどの具体的なトラブルが起きなければ触ってこなかったものなので、いざ外そうとなるとかなり力が必要な場合もある。
軍手をはめた手でモンキーレンチを握りしめ、なんとかナットを緩めていく。
そうしてやっとの思いで本体を取り外したら、抜いたはずの水が噴出してきた。

「ッわ！！」

一瞬何が起きたのかわからなかったのだろう、逃げることもできずその場で尻もちをついた名前。

「うそ、抜いたつもりだったのに………、あ゛！！」

そこまで考えて、宇海のことが思い浮かんだ。
慌ててタオルを引っ掴み隣の部屋の浴室に飛び込めば、同じように頭から水を被った宇海の姿。

「水も滴るいい男？」
「それはこっちのセリフです。」

顔を見合わせて、苦笑。まだ肌寒い4月に頭から水を被ったのでは体調を崩してしまいそうだ。一旦着替えようと、２人は事務室へと向かった。

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宇海さんが取り付けてたの、ちょっと浴室の雰囲気とあってなくね？と思った私のどうしてもいれたかったお話です。笑