lua e sol (崖っぷちホテル！) (ページ36)

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「宇海さん、インスタントじゃなかったら飲めるんですよね？コーヒー。」

給湯室を出て、事務室のミーティングテーブルについた宇海と佐那。名前はコーヒーを準備しているようで宇海に冒頭の様に問うた。

「あ、はい！そういえば私が頼んだ2本目のコーヒー、名前さんが準備してくださったんですか？」
「いえ、1本目も2本目も江口総料理長ですよ。」
「そうですか………いや、全然味が違ったもので。」
「あの人やればできるんですけどね。」

宇海と佐那と自分の分のコーヒーを淹れて、名前は自分のデスクについた。それは2人の会話は聞こえるが、話に入るつもりはないという合図だろう。
名前がパソコンに向かいキーボードをたたいている横で、佐那と宇海はイマイチ噛み合わない会話を続けていた。けれどもどちらも、このホテルを変えていくことを目的にしていて、名前はちらりと横目で立ち上がって宇海に頭を下げる佐那を見ていた。

「じゃあ早速ミーティングしましょう！いや～楽しみですね！何せ、このホテルの名前は…………！！！」

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