lua e sol (崖っぷちホテル！) (ページ24)

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「名前！」

宇海が黙ったことによって訪れた沈黙は、佐那が到着したことによって崩れた。名前と同じように作業着に身を包んだ彼女は、慌ててここまで来たのだろう、少し息が切れている。

「ごめんね、名前。遅くなっちゃって。」
「ん？大丈夫。とりあえず周りの掃除はもう終わるんだけど……。あとは水が完全に抜けてから、プールの中のゴミを出して……。」

言っている間に抜き終わったプールの水。空っぽのプールに足を下ろして、ゴミをかき集める。汚れている箇所をデッキブラシで磨いて、あとは水を貯めるだけだ。

「じゃ、私ゴミ捨てたりしてくるね。」
「ありがとう！掃除道具は置いてって！私が片付けるから。」

そうして名前はゴミを捨てに行き、一足先にホテル内へと戻った。

約束の時間は、もう間も無く訪れる。

名前はよく手を洗ってから、作業着を脱いでいつものスーツに着替えた。そして、彼女は枝川のいるバーへと向かった。

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